予測型の問題はどれくらい出る?
ECO 2026によると、試験の約40%が予測型のプロジェクトマネジメントを表す問題です。残りの約60%は、アジャイルとハイブリッドです。予測型・アジャイル・ハイブリッドの問題は、3つの領域すべてに散らばっています。
180問のうち約4割なので、おおよそ70問前後が予測型と考えられます。アジャイルの勉強に偏ると、この大きなまとまりで失点します。
問題文のどこで予測型だとわかる?
次のような語や状況が出てきたら、予測型の問題として考えます。
- 承認済みのベースライン、変更管理委員会、WBS、ガントチャートが出てくる。
- フェーズの終わりに、継続を判断するレビュー(フェーズ・ゲート)がある。
- 固定価格の契約や、規制当局の承認など、途中で変えにくい条件がある。
- 要求事項が最初に固まっている、と書かれている。
反対に、スプリント、プロダクトバックログ、プロダクトオーナーが出てくれば、アジャイルの問題です。両方が混ざるならハイブリッドで、どの部分の話かを見分けます。
なぜベースラインと計画書が判断の基準になるの?
予測型は、最初に計画を立て、その計画に照らして進める進め方だからです。スコープ・スケジュール・コストのベースラインが承認されると、それが進捗を測る物差しになります。
問題で迷ったら、「計画には何と書いてあるか」を考えます。誰に何を報告するか、リスクにどう対応するか、品質をどう確かめるか、変更を誰が承認するか。こうしたことは、プロジェクトマネジメント計画書とその補助の計画、登録簿に決めてあるはずです。
- プロジェクト憲章目的・PMの権限・大まかな要求。プロジェクトの出発点立ち上げ
- プロジェクトマネジメント計画書ベースラインと各計画(スコープ・スケジュール・コスト・品質・リスク・コミュニケーションなど)計画
- 登録簿とログリスク登録簿・課題ログ・変更ログ・ステークホルダー登録簿実行と監視
当サイトの整理。文書の名前や分け方は組織によって違います。
プロジェクト憲章は、PMの権限の範囲を決める文書でもあります。権限を超えることは上に上げる、という判断にもつながります(プロジェクト憲章の解説)。
変更はなぜ変更管理を通すの?
ベースラインを勝手に変えると、進捗を測る物差しがずれ、関係者の合意も崩れるからです。ECO 2026のBusiness Environment Task 3は、変更管理の手順の実行です。提案された変更の状況を伝え、承認された変更を実施し、文書を更新することまでが含まれます。
- 変更の依頼を受けたら、変更要求として記録する。
- スコープ・スケジュール・コスト・品質・リスクへの影響を分析する。
- 決められた承認者(変更管理委員会など)に判断してもらう。
- 承認されたら、ベースラインや関係する文書を更新してから実施する。
- 結果を関係者に伝える。却下された場合も伝える。
小さな変更でも、手順を飛ばさないのが原則です。顧客やスポンサーから直接頼まれても、PMやメンバーがその場で引き受ける選択肢は誤りです。逆に、変更を頭から断る選択肢も誤りになります。
進捗はどう把握し、どう是正する?
予測型では、計画と実績の差(差異)で進捗を測ります。代表的な手法が、アーンド・バリュー・マネジメント(EVM)です。
SPI = EV ÷ PV / CPI = EV ÷ AC
- 1PV(計画価値)= 100万円、EV(出来高)= 80万円、AC(実コスト)= 100万円
- 2SPI = 80 ÷ 100 = 0.8(1より小さいので、スケジュールが遅れている)
- 3CPI = 80 ÷ 100 = 0.8(1より小さいので、コストが超過している)
SPI 0.8・CPI 0.8:遅れていて、しかも予算を超えている
数字を出した後は、原因を分析してから是正処置を決めます。
差異を見つけたら、すぐに対策を打つのではなく、原因を分析してから是正処置を決めます。是正処置がベースラインの変更を伴うなら、変更管理の手順に乗せます。遅れや超過が計画で決めたしきい値を超えたら、決めた経路で上に上げます。
差異を隠して計画どおりと報告する選択肢は、倫理に反する誤りです(倫理問題の解き方)。繰り返し起きる差異は、根本原因から考えます(根本原因から考える問題)。
見積もりの余裕と予備はどう扱う?
予測型では、不確かさへの備えを予備として明示し、管理します。作業ごとの見積もりに、こっそり余裕を足す(水増しする)のは誤りです。余裕を足した作業は、使える時間いっぱいまで膨らみやすいからです(パーキンソンの法則)。
| 予備 | 何に備えるか | 使うとき |
|---|---|---|
| コンティンジェンシー予備 | 特定したリスク(わかっている不確かさ) | リスクが起きたら、計画に沿ってPMが使う |
| マネジメント予備 | 特定できていない不確かさ | 経営層などの承認を得て使う |
コンティンジェンシー予備はコスト・ベースラインに含まれ、マネジメント予備は含まれません。マネジメント予備を使うときは、ベースラインの変更として変更管理を通すのが一般的です。
アジャイルの正解を選んでしまう誤りとは?
アジャイルの勉強を先に進めた人ほど、予測型の問題でアジャイルの正解を選びがちです。次の取り違えに注意してください。
| 状況 | 予測型での正解 | 取り違えた誤答 |
|---|---|---|
| 顧客が新しい要求を出した | 変更要求にして変更管理に乗せる | バックログに加えて次の反復で扱う |
| 作業の遅れが見つかった | 原因を分析し、是正処置を計画する | チームに任せて自己組織化を待つ |
| 要求があいまいなまま計画中 | 要求を収集・明確化してからスコープを確定する | 作りながら決めていく |
| 成果物の受け入れ | 計画した受入基準で、スコープの妥当性を確認する | スプリントレビューで意見をもらう |
ただし、予測型でもチームを尊重し、当事者と話す原則は同じです。PMが何でも一人で決めるという意味ではありません。予測型の問題を本番の比率で解くなら、無料模試30問が使えます。
確認問題1
スポンサーが追加の機能を求めてきた
(当サイトの独自問題)予測型で進めている社内ポータルの構築で、スコープのベースラインは承認済みである。計画では、スコープの変更は変更管理委員会が承認すると決めてある。スポンサーがプロジェクト・マネジャーに、社員の検索機能を加えてほしいと伝えてきた。スポンサーは「自分が承認するので、すぐ進めてよい」と言っている。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。
選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。
正解と解説を見る
正解:2。スポンサーの依頼でも、まず変更要求として記録し、影響を分析します。そのうえで、計画で決めた承認者(変更管理委員会)に判断してもらいます。
1:影響の分析も承認の手順もなく実行しています。3:分析はしていますが、決めた承認者の判断を飛ばしています。4:変更を頭から断る誤りです。
確認問題2
SPIが0.8になった
(当サイトの独自問題)予測型のプロジェクトで、今月の報告ではSPIが0.8、CPIが1.0だった。計画では「SPIが0.9を下回ったらスポンサーに報告する」と決めてある。プロジェクト・マネジャーが行うべきことはどれか。
選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。
正解と解説を見る
正解:3。SPIが計画で決めたしきい値を下回ったので、決めた経路でスポンサーに報告します。原因の分析と是正の案を添えると、スポンサーが判断しやすくなります。
1:是正の手段の一つ(ファスト・トラッキング)ですが、原因の分析と報告を飛ばしています。2:分析はしていますが、しきい値を超えた報告を先送りしています。4:遅れを是正せずに、物差しのほうを実績に合わせる誤りです。
確認問題3
承認された変更の後にすること
(当サイトの独自問題)予測型のプロジェクトで、仕様の変更が変更管理委員会で承認された。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。
選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。
正解と解説を見る
正解:1。承認された変更は、作業に移る前にベースラインや計画書・変更ログに反映し、影響を受ける関係者に伝えます。ECO 2026のBusiness Environment Task 3にも、文書の更新が含まれています。
2:影響の分析は、承認の前に済んでいます。3:文書を更新する前に作業を始めると、ベースラインが古いまま残り、関係者も変更を知らないまま進みます。4:教訓の記録は大切ですが、承認された変更をベースラインに反映しないまま進むと、計画と実態がずれます。