PMP試験 2026年新形式 対応プロマネ模試
PMP STUDY GUIDE状況問題の考え方PMP

PMPの予測型(ウォーターフォール)問題の考え方|計画と統制の原則

PMP試験の約4割を占める予測型(ウォーターフォール)の状況問題の考え方。ベースラインと計画書、変更管理、EVMでの是正、予備の扱い、アジャイルとの取り違えを、確認問題3問で確かめられます。

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約8分
執筆
プロマネ模試 編集部
まず結論

この記事の要点

  • ECO 2026では、予測型の問題が約40%です。180問なら70問前後にあたります。
  • 予測型の判断の基準は、承認済みのベースラインとプロジェクトマネジメント計画書です。迷ったら「計画には何と書いてあるか」に戻ります。
  • 変更は変更管理の手順を通し、差異は原因を分析してから是正します。アジャイルの「チームに任せる」「バックログに入れる」を当てはめると誤ります。

予測型の問題はどれくらい出る?

ECO 2026によると、試験の約40%が予測型のプロジェクトマネジメントを表す問題です。残りの約60%は、アジャイルとハイブリッドです。予測型・アジャイル・ハイブリッドの問題は、3つの領域すべてに散らばっています。

180問のうち約4割なので、おおよそ70問前後が予測型と考えられます。アジャイルの勉強に偏ると、この大きなまとまりで失点します。

問題文のどこで予測型だとわかる?

次のような語や状況が出てきたら、予測型の問題として考えます。

  • 承認済みのベースライン、変更管理委員会、WBS、ガントチャートが出てくる。
  • フェーズの終わりに、継続を判断するレビュー(フェーズ・ゲート)がある。
  • 固定価格の契約や、規制当局の承認など、途中で変えにくい条件がある。
  • 要求事項が最初に固まっている、と書かれている。

反対に、スプリント、プロダクトバックログ、プロダクトオーナーが出てくれば、アジャイルの問題です。両方が混ざるならハイブリッドで、どの部分の話かを見分けます。

なぜベースラインと計画書が判断の基準になるの?

予測型は、最初に計画を立て、その計画に照らして進める進め方だからです。スコープ・スケジュール・コストのベースラインが承認されると、それが進捗を測る物差しになります。

問題で迷ったら、「計画には何と書いてあるか」を考えます。誰に何を報告するか、リスクにどう対応するか、品質をどう確かめるか、変更を誰が承認するか。こうしたことは、プロジェクトマネジメント計画書とその補助の計画、登録簿に決めてあるはずです。

予測型の判断の基準になる文書
  1. プロジェクト憲章目的・PMの権限・大まかな要求。プロジェクトの出発点立ち上げ
  2. プロジェクトマネジメント計画書ベースラインと各計画(スコープ・スケジュール・コスト・品質・リスク・コミュニケーションなど)計画
  3. 登録簿とログリスク登録簿・課題ログ・変更ログ・ステークホルダー登録簿実行と監視

当サイトの整理。文書の名前や分け方は組織によって違います。

プロジェクト憲章は、PMの権限の範囲を決める文書でもあります。権限を超えることは上に上げる、という判断にもつながります(プロジェクト憲章の解説)。

変更はなぜ変更管理を通すの?

ベースラインを勝手に変えると、進捗を測る物差しがずれ、関係者の合意も崩れるからです。ECO 2026のBusiness Environment Task 3は、変更管理の手順の実行です。提案された変更の状況を伝え、承認された変更を実施し、文書を更新することまでが含まれます。

  1. 変更の依頼を受けたら、変更要求として記録する。
  2. スコープ・スケジュール・コスト・品質・リスクへの影響を分析する。
  3. 決められた承認者(変更管理委員会など)に判断してもらう。
  4. 承認されたら、ベースラインや関係する文書を更新してから実施する。
  5. 結果を関係者に伝える。却下された場合も伝える。

小さな変更でも、手順を飛ばさないのが原則です。顧客やスポンサーから直接頼まれても、PMやメンバーがその場で引き受ける選択肢は誤りです。逆に、変更を頭から断る選択肢も誤りになります。

進捗はどう把握し、どう是正する?

予測型では、計画と実績の差(差異)で進捗を測ります。代表的な手法が、アーンド・バリュー・マネジメント(EVM)です。

SPIとCPIで進捗とコストを見る(架空の例)

SPI = EV ÷ PV / CPI = EV ÷ AC

  1. 1PV(計画価値)= 100万円、EV(出来高)= 80万円、AC(実コスト)= 100万円
  2. 2SPI = 80 ÷ 100 = 0.8(1より小さいので、スケジュールが遅れている)
  3. 3CPI = 80 ÷ 100 = 0.8(1より小さいので、コストが超過している)

SPI 0.8・CPI 0.8:遅れていて、しかも予算を超えている

数字を出した後は、原因を分析してから是正処置を決めます。

差異を見つけたら、すぐに対策を打つのではなく、原因を分析してから是正処置を決めます。是正処置がベースラインの変更を伴うなら、変更管理の手順に乗せます。遅れや超過が計画で決めたしきい値を超えたら、決めた経路で上に上げます。

差異を隠して計画どおりと報告する選択肢は、倫理に反する誤りです(倫理問題の解き方)。繰り返し起きる差異は、根本原因から考えます(根本原因から考える問題)。

見積もりの余裕と予備はどう扱う?

予測型では、不確かさへの備えを予備として明示し、管理します。作業ごとの見積もりに、こっそり余裕を足す(水増しする)のは誤りです。余裕を足した作業は、使える時間いっぱいまで膨らみやすいからです(パーキンソンの法則)。

2つの予備の違い(一般的な扱い。組織のルールで変わります)
予備何に備えるか使うとき
コンティンジェンシー予備特定したリスク(わかっている不確かさ)リスクが起きたら、計画に沿ってPMが使う
マネジメント予備特定できていない不確かさ経営層などの承認を得て使う

コンティンジェンシー予備はコスト・ベースラインに含まれ、マネジメント予備は含まれません。マネジメント予備を使うときは、ベースラインの変更として変更管理を通すのが一般的です。

アジャイルの正解を選んでしまう誤りとは?

アジャイルの勉強を先に進めた人ほど、予測型の問題でアジャイルの正解を選びがちです。次の取り違えに注意してください。

予測型の問題でよくある取り違え(当サイトの整理)
状況予測型での正解取り違えた誤答
顧客が新しい要求を出した変更要求にして変更管理に乗せるバックログに加えて次の反復で扱う
作業の遅れが見つかった原因を分析し、是正処置を計画するチームに任せて自己組織化を待つ
要求があいまいなまま計画中要求を収集・明確化してからスコープを確定する作りながら決めていく
成果物の受け入れ計画した受入基準で、スコープの妥当性を確認するスプリントレビューで意見をもらう

ただし、予測型でもチームを尊重し、当事者と話す原則は同じです。PMが何でも一人で決めるという意味ではありません。予測型の問題を本番の比率で解くなら、無料模試30問が使えます。

確認問題1

スポンサーが追加の機能を求めてきた

(当サイトの独自問題)予測型で進めている社内ポータルの構築で、スコープのベースラインは承認済みである。計画では、スコープの変更は変更管理委員会が承認すると決めてある。スポンサーがプロジェクト・マネジャーに、社員の検索機能を加えてほしいと伝えてきた。スポンサーは「自分が承認するので、すぐ進めてよい」と言っている。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:2。スポンサーの依頼でも、まず変更要求として記録し、影響を分析します。そのうえで、計画で決めた承認者(変更管理委員会)に判断してもらいます。

1:影響の分析も承認の手順もなく実行しています。3:分析はしていますが、決めた承認者の判断を飛ばしています。4:変更を頭から断る誤りです。

確認問題2

SPIが0.8になった

(当サイトの独自問題)予測型のプロジェクトで、今月の報告ではSPIが0.8、CPIが1.0だった。計画では「SPIが0.9を下回ったらスポンサーに報告する」と決めてある。プロジェクト・マネジャーが行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:3。SPIが計画で決めたしきい値を下回ったので、決めた経路でスポンサーに報告します。原因の分析と是正の案を添えると、スポンサーが判断しやすくなります。

1:是正の手段の一つ(ファスト・トラッキング)ですが、原因の分析と報告を飛ばしています。2:分析はしていますが、しきい値を超えた報告を先送りしています。4:遅れを是正せずに、物差しのほうを実績に合わせる誤りです。

確認問題3

承認された変更の後にすること

(当サイトの独自問題)予測型のプロジェクトで、仕様の変更が変更管理委員会で承認された。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:1。承認された変更は、作業に移る前にベースラインや計画書・変更ログに反映し、影響を受ける関係者に伝えます。ECO 2026のBusiness Environment Task 3にも、文書の更新が含まれています。

2:影響の分析は、承認の前に済んでいます。3:文書を更新する前に作業を始めると、ベースラインが古いまま残り、関係者も変更を知らないまま進みます。4:教訓の記録は大切ですが、承認された変更をベースラインに反映しないまま進むと、計画と実態がずれます。

よくある質問

PMPの予測型の問題は何問くらいですか?

ECO 2026では、予測型の問題が約40%とされています。180問で計算すると70問前後です。ただし、ECOは、形式やアプローチごとの問題数は試験の版によって変わりうると書いています。

予測型の問題では、PMが何でも決めればよいのですか?

いいえ。計画と手順に従うことが基本で、変更の承認は決められた承認者が行います。チームを尊重し、当事者と話す原則はアジャイルと同じです。

見積もりに余裕を持たせるのは誤りですか?

不確かさへの備えは必要です。ただし、作業ごとにこっそり余裕を足すのではなく、予備として明示して管理します。特定したリスクにはコンティンジェンシー予備、特定できていないものにはマネジメント予備を使います。

出典・参考

  1. [1]PMI: PMP Examination Content Outline – July 2026(PDF)

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