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パレート図とは?作り方・Excel手順と80対20の法則を例で解説

パレート図の意味と作り方を、数値例と累積比率の計算つきで解説。Excelでの作り方、読み方のコツ、80対20の法則、品質改善とPMP試験の図表問題での使い方まで。確認問題3問つき。

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執筆
プロマネ模試 編集部
まず結論

この記事の要点

  • パレート図は、項目を多い順に並べた棒グラフに、累積比率の折れ線を重ねた図です。「どこから手を付けると効果が大きいか」がひと目でわかります。
  • 作り方は「種類ごとに数える→多い順に並べる→累積比率を出す→棒と折れ線を描く」の順です。Excel なら統計グラフからすぐ作れます。
  • 背景にあるのは「結果の大部分は少数の原因から生まれる」という80対20の法則です。80と20は目安で、決まった数字ではありません。
  • PMP 試験では品質のタスクで、図を読んで改善の優先順位を選ぶ問題として出ます。

パレート図とは?

パレート図(Pareto chart)は、不具合やクレームなどを種類ごとに数え、多い順に棒グラフで並べ、累積比率の折れ線を重ねた図です。日本では品質管理の「QC七つ道具」の一つとして知られています。

名前は、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートに由来します。パレートは、富の多くが少数の人に集中しているという偏りを示しました。のちに品質管理の分野で、「品質問題の多くは少数の原因から生じる」という考え方に応用され、パレート図として広まりました。

パレート図を使うと、件数の多い少数の原因と、件数の少ない多くの原因を区別できます。限られた時間と予算で、どの原因から対策すると効果が大きいかを決めるための図です。

パレート図の作り方は?

例として、社内システムへの問い合わせ100件を種類ごとに数えたデータで作ります。

  1. データを集めて分類する:期間と対象を決め、種類ごとに件数を数える。
  2. 多い順に並べる:件数の多い順に並べる。「その他」はどれだけ多くても最後に置く。
  3. 比率と累積比率を計算する:各項目の件数÷合計で比率を出し、上から足していく。
  4. 棒グラフを描く:左の縦軸を件数にして、多い順に棒を並べる。
  5. 累積比率の折れ線を重ねる:右の縦軸を0〜100%にして、累積比率の点を結ぶ。
例:問い合わせ100件の内訳と累積比率(架空の例)
種類件数比率累積比率
画面の表示崩れ4545%45%
入力エラー3030%75%
動作が遅い1212%87%
印刷できない88%95%
その他55%100%
合計100100%―

検算:45+30=75、75+12=87、87+8=95、95+5=100。上位2種類(表示崩れと入力エラー)で全体の75%、上位3種類で87%を占めています。

棒グラフにするとどう見える?

上の例を棒グラフにすると次のようになります。実際のパレート図では、ここに累積比率の折れ線が重なります。

問い合わせの種類別件数(多い順。架空の例)
  • 画面の表示崩れ45件

    累積45%

  • 入力エラー30件

    累積75%

  • 動作が遅い12件

    累積87%

  • 印刷できない8件

    累積95%

  • その他5件

    累積100%

上位2種類で75%。まずこの2つの原因を調べると、少ない手間で問い合わせを大きく減らせる。

Excelでパレート図を作るには?

Microsoft 365 版など最近の Excel には、パレート図を作る機能があります。手順は次のとおりです。

  1. 種類と件数の2列の表を作る:多い順に並べ替えておかなくても、グラフ側で並べ替えられます。
  2. 表を選んでグラフを挿入する:[挿入]タブの統計グラフ(ヒストグラムの仲間)から、パレート図を選びます。
  3. 仕上がりを確かめる:棒が多い順に並び、累積比率の折れ線が重なっていれば完成です。

注意点は「その他」の位置です。自動のパレート図は件数の多い順に並べるので、「その他」が途中に入ることがあります。最後に置きたいときは、表を自分で並べて累積比率の列を作り、棒と折れ線の複合グラフで描きます。

パレート図の機能がない古い Excel でも、この複合グラフの方法なら作れます。

パレート図の読み方のコツは?

図ができたら、次の4点を見ます。

  • 折れ線の立ち上がり:最初の数本で折れ線が急に上がるほど、原因が少数に集中しています。
  • 折れ線がまっすぐに近い:偏りが小さいサインです。工程別・時間帯別など、分類の切り口を変えると偏りが見えることがあります。
  • 「その他」の大きさ:「その他」が大きいなら分類が粗すぎます。中身を見て分け直します。
  • 80%の目安:累積比率が80%前後に届くまでの項目を、重点的に対策する候補にします。

在庫管理などで使われる ABC 分析も、累積比率で上位からグループに分けて重点を決める考え方です。区切りの比率は、目的に合わせて決めます。

80対20の法則とは?

80対20の法則(パレートの法則)は、「結果の約80%は、約20%の原因から生まれる」という経験則です。売上の8割を2割の顧客が生む、不具合の8割を2割の原因が生む、といった形で使われます。

注意したいのは、80と20はあくまで目安だという点です。実際のデータが「70対30」や「90対10」になることは普通にあります。大切なのは数字ではなく、「重い原因から対処する」という考え方です。

件数が少なくても重大な原因(安全に関わる不具合など)は、順位とは別に優先して扱います。パレート図は件数(頻度)で並べた図だからです。影響の大きさが違う場合は、金額や重大度で重み付けしたデータで作り直すこともあります。

品質改善ではどう使う?

パレート図は、品質改善の流れの中で「どこに集中するか」を決める場面で使います。よくある使い方は次の流れです。

品質改善でのパレート図の使いどころ
  1. 1

    データを集める

    チェックシートなどで不具合を種類別に数える

  2. 2

    パレート図で絞る

    件数の多い上位の種類を選ぶ

  3. 3

    原因を掘り下げる

    特性要因図やなぜなぜ分析で根本原因を探す

  4. 4

    対策を打つ

    根本原因に対する対策を実施する

  5. 5

    効果を確かめる

    もう一度パレート図を作り、対策前と比べる

パレート図は「どれを直すか」を決める図。「なぜ起きたか」は特性要因図で探す。

パレート図で上位の問題を選んだら、その原因を掘り下げるのが次の一歩です。原因の探し方は 特性要因図(フィッシュボーン)とは? で解説しています。対策の前後で同じ形のパレート図を並べると、改善の効果を関係者に見せやすくなります。

PMP試験の図表問題ではどう出る?

ECO 2026年版では、品質のタスク(成果物の品質を計画・最適化する)に、品質のレビューや継続的な改善が含まれています。また、図やグラフを読んで答える図表問題が新しく加わりました。パレート図は、次のような形で問われやすい図です。

  • どの原因から対策すべきか:件数の多い上位の原因を選ぶ。
  • 累積比率の読み取り:上位いくつで全体の何%になるかを読む。
  • 次の一手:パレート図で絞ったあと、根本原因の分析に進む。
  • 図の使い分け:時間による変化を見るなら 管理図、原因を整理するなら特性要因図、頻度の偏りを見るならパレート図。

品質以外では、スケジュールの ガントチャート なども図表問題の題材になります。受け入れの段階で品質をどう確かめるかは スコープの妥当性確認 で扱っています。図表問題は 無料模試30問 でも試せます。

確認問題1

改善の優先順位

(当サイトの独自問題)通販サイトの物流改善プロジェクトで、1か月の顧客クレーム100件を分類した。内訳は、配送遅れ52件、梱包の破損21件、誤配送14件、問い合わせ対応8件、その他5件だった。改善に使える予算と人員は限られている。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:2。配送遅れだけで全体の52%を占めます。限られた資源は、効果が最も大きい原因に集中し、まず根本原因を分析します。

1:資源を均等に分けると、効果が薄まります。3:件数の少ない原因から始めると、全体への効果が小さくなります。4:判断に足るデータはすでにあり、集め直すと対策が遅れます。

確認問題2

累積比率の読み取り

(当サイトの独自問題)確認問題1のデータ(配送遅れ52件、梱包の破損21件、誤配送14件、問い合わせ対応8件、その他5件)でパレート図を作った。上位の項目から順に足したとき、累積比率が初めて80%を超えるのは何項目目か。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:3。52+21=73%、73+14=87%なので、3項目目で初めて80%を超えます。

1:52%で80%に届きません。2:73%で80%に届きません。4:95%ですが、80%を初めて超えるのは3項目目です。

確認問題3

パレート図の後の一手

(当サイトの独自問題)製造ラインの不良をパレート図で分析し、「はんだ付け不良」が全体の6割を占めるとわかった。チームは「とにかく検査を増やそう」と言っている。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:1。パレート図でわかるのは「どの種類が多いか」までです。なぜ起きるかを分析しないと、効く対策を選べません。品質は検査で作るより、工程に作り込む方が効果的です。

2:検査を増やしても、不良の発生そのものは減りません。3:原因がわからないまま委託しても、同じ問題が起きるおそれがあります。4:基準をゆるめるのは、品質の問題を隠すだけです。

よくある質問

パレート図とヒストグラムの違いは何ですか?

パレート図は、種類ごとの件数を多い順に並べ、累積比率の折れ線を重ねた図です。ヒストグラムは、数値データの分布(どの範囲にどれだけ集まっているか)を表す図で、並び順は数値の大小で決まります。

「その他」はなぜ最後に置くのですか?

「その他」は細かい種類の寄せ集めで、一つの原因ではないからです。件数が多くても最後に置きます。「その他」が大きすぎる場合は、分類を見直します。

80対20にならないデータでもパレート図は使えますか?

使えます。80対20は目安です。偏りが小さいとわかること自体も、対策の立て方を考える材料になります。

出典・参考

  1. [1]PMI: PMP Examination Content Outline(2026年7月版, PDF)
  2. [2]Microsoft サポート:パレート図を作成する

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記事の次は、本番形式の問題で。

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