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ガントチャートとは?書き方の手順とマイルストーン・依存関係の表し方

ガントチャートとは、作業の期間を横棒で日付の上に並べた工程表。書き方6ステップを例で解説し、マイルストーン・依存関係の表し方、進捗線の読み方、弱点の補い方、PMP試験の図表問題での読み方まで。

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執筆
プロマネ模試 編集部
まず結論

この記事の要点

  • ガントチャートは、作業を縦に、日付を横にとり、作業ごとの期間を横棒で示す工程表です。「いつ・何を・どれくらいの期間でやるか」がひと目でわかります。
  • 書き方は「作業の洗い出し→順番→期間→担当→棒と矢印→マイルストーン」の6ステップです。合意した形を基準として残し、実績と比べます。
  • 弱点は、作業のつながり・余裕(フロート)・人の負荷が棒だけでは見えないことです。依存関係の矢印やクリティカルパスの計算で補います。
  • PMP 試験(ECO 2026年版)では新しい図表問題で、遅れが完了日に響くかどうかの読み取りが問われます。

ガントチャートとは?

ガントチャート(Gantt chart)は、プロジェクトの作業を縦に並べ、それぞれの開始日から終了日までを横棒で表した図です。横軸が時間(日・週・月)、縦軸が作業です。棒の長さが期間を表すので、作業の順番と重なりがひと目でわかります。

名前は、20世紀の初めにこの形の図を広めた米国の技術者ヘンリー・ガントに由来します。PMBOK®ガイドの日本語版では「ガント・チャート」と表記されています。

向いているのは、作業の順番と期間がある程度見通せる仕事です。建設、イベントの準備、システムの導入など、締め切りから逆算して進める仕事で広く使われます。Excel やスプレッドシート、プロジェクト管理ツールの多くで作れます。

ガントチャートの書き方は?

次の6つの手順で書きます。

  1. 作業を洗い出す:成果物を細かく分けた WBS(作業分解構成図)から、必要な作業を一覧にする。大きすぎる作業は、進み具合を確かめられる大きさに分ける。
  2. 順番(依存関係)を決める:「設計が終わらないと開発を始められない」など、作業の前後の関係を整理する。
  3. 期間を見積もる:作業ごとに何日・何週かかるかを、過去の実績や担当者の意見をもとに見積もる。
  4. 担当を決める:作業ごとに担当者を決める。同じ人に、同じ週の作業が重なっていないかも確かめる。
  5. 棒と矢印を引く:開始日と終了日に合わせて横棒を引き、依存関係のある棒どうしを矢印でつなぐ。
  6. マイルストーンを置いて合意する:承認やリリースなどの重要な時点を ◆ で示す。関係者と合意したら、その形を基準(スケジュール・ベースライン)として残す。

WBS は「何をやるか」の一覧で、期間は持ちません。ガントチャートは、その作業を「いつやるか」で日付の上に並べたものです。作る順番は、WBS が先です。

実際のガントチャートはどんな形?

例として、10週間の小さなシステム導入プロジェクトを表で表します(■ が作業の期間、◆ がマイルストーン)。この例は、後の説明と確認問題でも使います。

例:システム導入プロジェクトのガントチャート(架空の例。W は週)
作業W1W2W3W4W5W6W7W8W9W10
A 要件定義■■
B 設計(A の後)■■
◆ 設計承認◆
C 開発(B の後)■■■■
D テスト計画(A の後)■
E テスト(C と D の後)■■
◆ リリース◆

マイルストーンと依存関係はどう表す?

マイルストーンは、期間を持たない「時点」です。そのため棒ではなく、◆ などの記号で表します。上の例では「設計承認」と「リリース」がマイルストーンです。承認や納品など、関係者と約束した区切りに置きます。置き方のコツは マイルストーンとは? で詳しく解説しています。

依存関係は、棒と棒を矢印でつないで表します。最も多いのは、前の作業が終わったら次を始める「終了-開始(FS)」の関係です。ほかに、同時に始める「開始-開始(SS)」、同時に終える「終了-終了(FF)」などがあります。

依存関係を描かないガントチャートは、見た目はきれいでも、ある作業が遅れたときにどこまで影響するかがわかりません。ツールで作るなら、依存関係を設定しておくと、遅れたときに後ろの棒が自動でずれます。

クリティカルパスと余裕はどう見つける?

クリティカルパスは、開始から完了までの作業のつながりのうち、最も長い経路です。この経路上の作業が1日遅れると、完了日も1日遅れます。

上の例では、A(2週)→B(2週)→C(4週)→E(2週)の合計10週がクリティカルパスです。一方、D テスト計画は W3 に終わり、E が始まるのは W9 です。D は完了日を遅らせずに、5週間まで遅らせられます。この遅らせられる幅をフロート(余裕)と呼びます。

ガントチャートは期間を見るのは得意ですが、どれがクリティカルパスかは、依存関係を追わないと見えません。経路ごとの期間の足し方は クリティカルパスとは? で例題つきで解説しています。

進み具合はどう書き込む?(予定と実績の比べ方)

作ったガントチャートは、合意した時点の形を基準として残し、その上に実績を書き込みます。予定の棒と実績の棒を2段に並べるか、棒の中を進んだ割合だけ塗るのが一般的です。読み取りでは、次の3つを使います。

  • 今日の線:確認する日に縦線を引く。線より左にある予定の作業は、本来終わっているはずの作業です。
  • 進捗線(イナズマ線):各作業の進んだ位置を、今日の線から折れ線でつなぐ。左に折れている作業は遅れ、右に折れている作業は前倒しです。
  • ずれの影響:遅れている作業がクリティカルパス上にあるか、余裕の中に収まるかを確かめる。

例のチャートで、W6 の終わりに確認したとします。C 開発(W5〜W8)は、予定では半分(50%)終わっているはずが、実績は25%でした。1週間分の遅れです。C はクリティカルパス上にあるので、手を打たなければリリースも1週間遅れます。

ガントチャートのメリットと弱点は?

強みは「いつ」がひと目でわかることです。弱点は、作業のつながりや人の負荷など、棒の外にある情報が見えにくいことです。弱点は、別の見方で補います。

ガントチャートで見えること・見えにくいことと、補う方法
知りたいことガントチャートだけでは補う方法
いつ何をするか最も得意。ひと目でわかる(そのままでよい)
作業のつながり矢印がないと見えない依存関係の矢印を描く。ネットワーク図で確かめる
クリティカルパスと余裕棒だけでは見えない経路の長さを計算する。ツールの強調表示を使う
人の負荷の重なり作業が多いと見落とす担当者ごとに並べ替える。資源ヒストグラムを見る
変化の多い仕事の見通し先まで細かく描くほど崩れる近い期間だけ詳しく描く。アジャイルではリリース計画とバックログを使う
経営層への報告作業が多いと細かすぎるマイルストーンだけの要約版にする

最後の行のように、見せる相手によって細かさを変えるのも大事です。経営層・顧客・チームなど、ステークホルダー ごとに知りたいことは違います。

PMP試験の図表問題ではどう読む?

ECO 2026年版では、グラフや図を読んで答える「図表問題(Graphic-Based Questions)」が新しく加わりました。Process 領域の「スケジュールを計画・管理する」タスクにも、関係する項目が並んでいます。マイルストーンや依存関係の見積り、スケジュールの基準の設定、スケジュールのずれの分析です。ガントチャートを読むときのチェックポイントは次の5つです。

  • 今日の位置:今日の線より左で、終わっていない作業はどれか。
  • 依存関係:遅れている作業の後ろに、どの作業がつながっているか。
  • クリティカルパスかどうか:遅れが余裕の中に収まれば、完了日には響かない。
  • マイルストーン:次の重要な時点に間に合うか。
  • 資源の重なり:同じ人が同じ週に複数の作業を抱えていないか。

人の重なりを解消する手順は 資源平準化 で扱っています。図表問題の形式は 無料模試30問 で体験できます。

確認問題1

余裕のある作業の遅れ

(当サイトの独自問題)本文の例のガントチャート(A→B→C→E が10週で、E は W9〜W10 に実施。D テスト計画は A(W1〜W2)の後の W3 に実施。E は C と D の後)で、D の担当者が体調を崩し、D の完了が3週間遅れることになった。ほかの作業に変更はない。プロジェクトの完了日への影響として正しいものはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:4。D は W3 に終わる予定で、E の開始は W9 です。3週間遅れても W6 に終わるので E の開始に間に合い、完了日は変わりません。

1:D はクリティカルパス上になく、3週間の遅れも余裕(5週)の範囲に収まります。2:D が W6 に終わっても E の開始(W9)に間に合うので、E には響きません。3:A→D→E の経路は、D が3週間遅れても合計8週で、A→B→C→E の10週より短いままです。

確認問題2

クリティカルパス上の遅れ

(当サイトの独自問題)週次の確認で、ガントチャートの進捗線から、クリティカルパス上の開発作業が1週間遅れているとわかった。リリース日は顧客と契約で約束している。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:1。クリティカルパス上の遅れは、そのまま完了日に響きます。まず原因を確かめ、ファスト・トラッキング(作業の並行化)やクラッシング(資源の追加)など、約束の日を守る方法を検討します。

2:挽回できるかを検討する前に、約束の日を変えようとしています。3:原因と挽回策を確かめる前に、基準そのものを変えようとしています。4:クリティカルパス上の遅れを1週間放置すると、挽回の選択肢が減ります。

確認問題3

アジャイルでの計画の見せ方

(当サイトの独自問題)アジャイルで開発しているチームに、経営層から「半年分の詳細なガントチャートを出してほしい」と求められた。チームは2週間のスプリントで、優先順位はスプリントごとに見直している。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:3。経営層が知りたいのは、多くの場合「いつ頃、何が使えるようになるか」です。目的を確かめ、リリース計画や大まかなマイルストーンなど、アジャイルに合った形で見通しを示します。

1:優先順位をスプリントごとに見直すので、先の作業を日単位で決めても崩れます。2:要望の目的を確かめず、断る説明で済ませようとしています。4:報告の形式のために進め方を変えるのは本末転倒です。

よくある質問

ガントチャートとWBSの違いは何ですか?

WBS は成果物と作業を階層に分けた「何をやるか」の一覧で、期間は持ちません。ガントチャートは、その作業を日付の上に並べた「いつやるか」の図です。WBS で作業を洗い出してから、ガントチャートに並べます。

ガントチャートはExcelで作れますか?

作れます。セルを塗りつぶして棒を表したり、条件付き書式で自動的に色を付けたりする方法があります。依存関係やクリティカルパスの自動計算が必要なら、プロジェクト管理ツールの方が便利です。

ガントチャートでクリティカルパスはわかりますか?

棒だけではわかりにくいです。依存関係を矢印でつなぎ、最も長い経路を確かめる必要があります。多くのツールには、クリティカルパスを強調表示する機能があります。

出典・参考

  1. [1]PMI: PMP Examination Content Outline(2026年7月版, PDF)
  2. [2]PMI: PMBOK® Guide and Standards

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