複数回答問題はどう採点される?
ECO 2026は、複数回答問題(Multiple-Response)を「正解が2つ以上ある問題」と説明しています。オンライン受験を含む、すべての受験方式で出る形式です。
採点について、PMIのハンドブックは「合格点は心理測定の分析で決める」「採点されるのは試行問題を除いた問題」と説明しています。ただし、複数回答で部分点があるかどうかは公表していません。
受験対策の世界では部分点はないと言われることが多いものの、当サイトでは公式の資料で確認できていません。確かなのは、全部当てれば得点になることです。そこで当サイトでは、部分点を当てにせず、全部当てる前提で解くことをすすめています。
形式ごとの問題数も、ECO 2026には示されていません。ネットで見かける「全体の何%」といった数字は、公式の根拠がないものとして扱います。
POINT
採点の方法は変わることがあります。最新の情報はPMIの公式の案内で確認してください。
4択の単一回答とは何が違う?
単一回答の問題は、4つの中から最も適切な1つを選びます。正しい行動が複数あっても、順番や優先度で1つに絞ります。
複数回答の問題は、条件を満たすものをすべて選びます。比べるのではなく、1つずつ判定します。この頭の切り替えができないと、「一番よいもの」を1つだけ選んで、残りの正解を落とします。
単一回答
- 選ぶもの最も適切な1つ
- 考え方選択肢どうしを比べる
- 決め手順番・優先度で絞る
複数回答
- 選ぶもの条件を満たすものすべて
- 考え方1つずつ正誤を判定する
- 決め手指定の個数に合わせる
1つずつ正誤を判定するにはどうする?
当サイトでは、次の手順をすすめています。
- 問いと個数を確かめる。「2つ選べ」「3つ選べ」の個数と、何を選ぶのか(適切な行動/必要な情報/当てはまる手法)を確かめます。
- 選択肢ごとに○・×・△を付ける。状況に照らして、明らかに適切なら○、明らかに不適切なら×、迷うものは△です。
- ○の数と指定の個数を比べる。○が指定の個数と同じなら確定します。
- 足りなければ△から選ぶ。△の中で、状況の制約(アプローチ・段階・役割)に最も合うものを選びます。
- 多すぎれば○を見直す。○が多いときは、どれかが「正しいが今ではない」可能性があります。
画面上で印を付けられない場合は、配られるメモ用の用具に選択肢の番号と○×を書く方法もあります。使える用具は受験方式によって違うので、事前に確かめてください。
例題:○×△で判定するとどうなる?
(当サイトの独自の例題)予測型のプロジェクトで、主要な部品の納品が、仕入先の事情で2週間遅れると連絡がありました。この遅れは、計画段階では特定されていませんでした。プロジェクト・マネジャー(PM)が行うこととして、適切なものを2つ選ぶ問題です。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| A:遅れがスケジュールとコストに与える影響を分析する | ○ | 起きたことの影響を確かめるのが先 |
| B:課題ログに記録し、対応の担当者と期限を決める | ○ | すでに起きた問題なので、課題として管理する |
| C:リスク登録簿に追加し、次の定例会議まで様子を見る | × | 起きた後なのでリスクではない。様子見は放置 |
| D:仕入先との契約を解除し、別の仕入先を探す | × | 影響を確かめる前の極端な行動 |
| E:スポンサーに報告し、納期の延長を承認してもらう | △→× | 延長が要るかは、影響の分析の後で決まる |
○が2つで、指定の個数と同じなので確定です。迷ったEは、段階(今やるべきか)で見直すと×に決まりました。
このように、△は「正しいが今ではない」ものであることが多くあります。○が足りないときだけ、△から選び直します。
似た選択肢の組み合わせはどう見分ける?
複数回答では、よく似た2つの選択肢が並ぶことがあります。片方だけが正解のことも、両方が正解のこともあります。
| 似た選択肢の例 | 見るところ |
|---|---|
| 「リスク登録簿を更新する」と「課題ログを更新する」 | 起きる前か、起きた後か |
| 「チームと話す」と「チームに指示する」 | 自己組織化を支えるか、命じるか |
| 「影響を分析する」と「変更要求を出す」 | 分析が済んでいるか |
| 「スポンサーに報告する」と「スポンサーに承認を求める」 | 情報の共有か、権限を超える判断か |
| 「教訓を記録する」と「組織のプロセス資産を更新する」 | どちらも終結で行う。両方正解になりやすい |
似ているからといって、どちらか一方だけを選ぶ理由にはなりません。1つずつ判定する原則に戻ってください。
個数指定の読み違いはどう防ぐ?
複数回答で最ももったいないのは、知識ではなく個数の読み違いで落とすことです。
- 問題文を読む前に、まず個数の指示を探して確かめる。
- 日本語訳で個数が読み取りにくいときは、英語の原文(Select two / Select three)で確かめる。
- 選び終えたら、選んだ数をもう一度数える。
PMIのハンドブック(2026年6月改訂版)によると、翻訳版の試験には、問題ごとに英語を表示するボタンがあります。使い方は日本語訳がわかりにくいときの対処で説明しています。
練習問題ではどう確かめる?
複数回答の練習では、正解・不正解だけでなく、選択肢ごとの判定が合っていたかを確かめます。2つ選ぶ問題で1つしか当たっていなければ、もう1つの判定のどこがずれたのかを解説で探します。
判定がずれる原因は、単一回答と同じく段階・役割・アプローチの取り違えがほとんどです。原則の一覧はPMPのマインドセット一覧、ほかの形式の解き方はマッチング問題の解き方にあります。本番の形式で試すなら無料模試30問を使ってください。
確認問題1
プロジェクトの終結で行うこと
(当サイトの独自問題)予測型のプロジェクトで、顧客が最終成果物を正式に受け入れた。プロジェクト・マネジャーがプロジェクトを終結するために行うこととして、適切なものを2つ選ぶ。組み合わせとして正しいものはどれか。
- ア:最終の教訓をまとめ、組織の記録として残す
- イ:顧客の追加の要望を、次のフェーズのスコープに加える
- ウ:未払いの契約の精算と、財務の締めの処理を完了する
- エ:メンバーに、次のプロジェクトの作業を割り当てる
選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。
正解と解説を見る
正解:4。ECO 2026のProcessのTask 10は、終結の活動として、最終の教訓・調達・財務・資源の処理などを挙げています。アとウは、どちらも終結で行うことです。
1〜3は、イかエを含むので誤りです。イ:最終成果物はすでに受け入れられており、終結はスコープを広げる場面ではありません。追加の要望は、変更の手続きか別のプロジェクトで扱います。エ:メンバーを解放するのは終結の活動ですが、次のプロジェクトの作業を割り当てるのはPMの役割ではありません。
確認問題2
アジャイルのチームの障害への対応
(当サイトの独自問題)アジャイルのチームで、テスト環境がたびたび止まり、作業が遅れている。プロジェクト・マネジャーが行うこととして、適切なものを2つ選ぶ。組み合わせとして正しいものはどれか。
- ア:障害の影響を評価し、チームと対処の優先順位を決める
- イ:環境を管理する部門と話し、安定させる方法を一緒に探る
- ウ:完了の定義(DoD)を一時的に緩め、テストを後回しにする
- エ:遅れを確認したうえで、PMがタスクの分担を決め直す
選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。
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正解:1。障害の影響を評価して優先順位を付け(ア)、関係する部門と協力して取り除く(イ)行動です。ECO 2026のBusiness EnvironmentのTask 4(障害を取り除き、課題を管理する)に沿っています。
2〜4は、ウかエを含むので誤りです。ウ:品質の基準を下げ、問題を先送りしています。エ:タスクの分担は、チームが自分たちで決めます。
確認問題3
まだ起きていないリスクへの備え
(当サイトの独自問題)計画の段階で、主要な技術者が途中で別のプロジェクトに異動するおそれがあると特定した。まだ異動は決まっていない。プロジェクト・マネジャーがこの段階で行うこととして、適切なものを2つ選ぶ。組み合わせとして正しいものはどれか。
- ア:このリスクの担当者(リスクオーナー)を決める
- イ:課題ログに記録し、解決の期限を決める
- ウ:引き継ぎの資料づくりなどの対応策を計画する
- エ:コンティンジェンシー予備で、代わりの技術者を雇う
選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。
正解と解説を見る
正解:2。まだ起きていないので、リスクとして扱います。担当者を決め(ア)、対応策を計画します(ウ)。
1・3・4は、イかエを含むので誤りです。イ:課題ログは、すでに起きた問題を扱います。エ:リスクが現実になる前に予備を使うのは早すぎます。似た選択肢でも「起きる前か、起きた後か」で判定が分かれる例です。