PMP試験 2026年新形式 対応プロマネ模試
PMP STUDY GUIDE計算問題(EVM・スケジュール)PMP

EVM(アーンドバリュー)とは?PV・EV・ACの意味とS字カーブの読み方

EVMは、作業の進み具合とコストを金額で同時に測る方法です。PV・EV・ACの意味、EVの測り方、S字カーブの読み方、SPIの弱点を数値例で解説。PMP形式の確認問題3問つき。

最終更新
読了目安
約13分
執筆
プロマネ模試 編集部
まず結論

この記事の要点

  • EVMは、予定(PV)・できた分の価値(EV)・使ったお金(AC)を金額でそろえて比べ、遅れと予算超過を同時に見る方法です。
  • EVは「完了した作業に割り当てた予算」です。使ったお金や経過日数の割合から出すものではありません。
  • EVがPVより下なら遅れ、ACがEVより上なら予算超過です。S字カーブの問題は、この2つの比較で読めます。
  • 途中の作業の数え方(0/100・50/50など)は計画時に決めます。SPIは終盤に1へ近づくので、遅れは日程でも確かめます。

EVMとは?予算と実績の比較だけでは何が足りない?

EVM は Earned Value Management の略で、アーンドバリュー・マネジメントと読みます。スケジュールとコストの状況を、金額という1つの物差しで同時に測る方法です。

「予算の半分を使った」だけでは、順調かどうか分かりません。作業も半分終わっていれば順調です。作業が3割しか終わっていなければ、遅れていて、お金も使いすぎています。

予算と実績(使ったお金)だけを比べる管理では、この違いが見えません。EVM は「作業がどこまで進んだか」を金額に直し、3つの数字で比べます。

予算と実績の比較と EVM の違い

予算と実績だけを比べる

  • 比べるもの予算(支出の計画)と使ったお金
  • 作業の進み具合分からない
  • 分かること支出のペースが計画より速いか遅いか

EVM

  • 比べるもの予定(PV)・できた分(EV)・使ったお金(AC)
  • 作業の進み具合できた分を金額(EV)に直して測る
  • 分かること遅れと予算超過を別々に判断できる

当サイトの整理

POINT

日本語の訳は教材によって違います(アーンドバリュー、アーンド・バリュー、出来高など)。試験は英語の略語(PV・EV・AC)で覚えると迷いません。

PV(計画価値)とは?

PV(Planned Value:計画価値)は、ある時点までに終わらせる予定だった作業の予算額です。承認済みの計画(ベースライン)から読み取ります。

例として、総予算1,000万円・期間10か月のシステム開発を考えます。4か月目の終わりまでに予定した作業の予算を積み上げると、400万円でした。この時点の PV は400万円です。

PV は最後に BAC(Budget at Completion:完成時総予算)と等しくなります。BAC はコスト・ベースラインの合計です。PV は計画の値なので、承認された変更でベースラインを改訂しない限り動きません。

EV(出来高)とは?

EV(Earned Value:出来高)は、完了した作業に、計画上いくらの予算を割り当てていたかです。EVM の中心となる値です。

同じ例で、4か月目の終わりに完了した作業を数えると、全体の35%でした。EV は BAC × 完了率なので、1,000万円 × 35% = 350万円です。

EV(出来高)の求め方

EV = BAC × 実際の完了率

  1. 1BAC(完成時総予算)= 1,000万円
  2. 24か月目の終わりの実際の完了率 = 35%
  3. 3EV = 1,000万円 × 0.35 = 350万円

EV = 350万円(予定の PV 400万円より50万円分、作業が少ない)

当サイトの架空の例

よくある間違いは2つあります。1つは、使ったお金(AC)をそのまま EV にする誤りです。もう1つは、経過期間の割合(4か月 ÷ 10か月 = 40%)を完了率にする誤りです。どちらも、作業の実際の完了度を測っていません。

完了した作業パッケージの予算を足し上げても EV になります。途中まで進んだ作業の数え方は、次の節で説明します。

AC(実コスト)とは?

AC(Actual Cost:実コスト)は、ある時点までに実際に使ったお金です。人件費・外注費・購入費など、その期間の作業にかかった実費を集計します。

例では、4か月目の終わりまでに使ったお金が420万円でした。AC = 420万円です。

AC は EV と同じ範囲で集計します。EV に入れていない作業の費用を AC に入れると、比べる意味がなくなるからです。

PV・EV・AC・BAC の違い(当サイトの整理)
値問い例(4か月目)どこから取るか
PV(計画価値)いくら分の作業を終える予定だったか400万円ベースライン(計画)
EV(出来高)いくら分の作業が実際に終わったか350万円BAC × 実際の完了率
AC(実コスト)実際にいくら使ったか420万円実績の集計
BAC(完成時総予算)全体の予算はいくらか1,000万円コスト・ベースラインの合計

途中まで進んだ作業のEVはどう数える?

EV を出すには、途中まで進んだ作業を何%と数えるかを決める必要があります。担当者の感覚で「8割くらい」と申告すると、数字は実態より大きくなりがちです。

そこで計画の段階で、作業ごとに測り方を決めておきます。よく使われる方法は次の4つです。

EV の主な測り方(GAO の EVM ガイドの表をもとに当サイトが整理)
方法数え方向いている作業
0/100終わった時点で予算の100%を計上する。途中は0%1回の報告期間の中で始まって終わる短い作業
50/50 など(固定比率)始めた時点で50%、終わった時点で残りの50%を計上する2回の報告期間の中で始まって終わる作業
重み付けマイルストーン作業を節目で区切り、節目を達成するごとに決めた割合を計上する期間が長く、途中に目に見える成果がある作業
完了率の見積り完了した割合を見積もって計上するほかの方法が使いにくい作業。完成した画面の数など、数えられる根拠で見積もる

たとえば予算100万円の作業を50/50で数えると、着手した月に50万円、完了した月に残りの50万円が EV に入ります。

方法は作業ごとに使い分けてかまいません。大切なのは、計画の時点で決めておき、毎回同じルールで数えることです。プロジェクト管理のように成果物のない作業は、時間の経過で計上する方法(LOE)もあります。ただし主観が入るので、使いすぎないようにします。

S字カーブの図で見るとどうなる?

PV を時間に沿って積み上げると、立ち上がりがゆるく、中盤で急になり、終盤でまたゆるくなる線になります。形がアルファベットのSに似ているので、S字カーブ と呼ばれる線です。EV と AC を同じグラフに重ねると、状況がひと目で分かります。

例のプロジェクトの累計値を表にしました。4か月目の時点で、EV の線は PV の線の下にあり、AC の線は EV の線の上にあります。

累計値の推移(万円・当サイトの架空の例)
月PV(累計)EV(累計)AC(累計)
1か月目504050
2か月目150120150
3か月目270230280
4か月目(現時点)400350420
5〜10か月目540 → 1,000(計画)未確定未確定

グラフ問題はどう読む?

4か月目の時点の3つの値を並べると、下の図のようになります。読み方は、図の下にまとめた2つだけです。

4か月目の時点の PV・EV・AC
  • PV(予定)400万円
  • EV(できた分)350万円
  • AC(使った分)420万円

EV<PV なので遅れ、AC>EV なので予算超過。読むときは必ず EV を基準にします。

当サイトの架空の例

  • EV と PV を比べる → スケジュール:EV が PV より下なら遅れ、上なら前倒し。
  • EV と AC を比べる → コスト:AC が EV より上なら予算超過、下なら予算内。

POINT

PV と AC を直接比べても、遅れも超過も判断できません。グラフ問題のひっかけになりやすい点です。

PV・EV・ACから何が計算できる?

3つの値がそろうと、差(引き算)と指数(割り算)が出せます。例の数字で計算すると、次のとおりです。

4か月目の差異と指数

SV = EV − PV、CV = EV − AC、SPI = EV ÷ PV、CPI = EV ÷ AC

  1. 1SV = 350 − 400 = −50万円(マイナス=遅れ)
  2. 2CV = 350 − 420 = −70万円(マイナス=予算超過)
  3. 3SPI = 350 ÷ 400 = 0.875(1未満=遅れ)
  4. 4CPI = 350 ÷ 420 ≒ 0.83(1未満=予算超過)

遅れていて、予算も超過している状態

当サイトの架空の例

同じ例で完成時の見通しを出すと(今のコスト効率が続く場合)
指標式例(4か月目)意味
EAC(完成時総コスト見積り)BAC ÷ CPI1,000 ÷ (350 ÷ 420) = 1,200万円このままだと総額1,200万円かかる
ETC(残作業コスト見積り)EAC − AC1,200 − 420 = 780万円あと780万円かかる
VAC(完成時差異)BAC − EAC1,000 − 1,200 = −200万円予算が200万円足りなくなる
TCPI(残作業効率指数)(BAC − EV) ÷ (BAC − AC)650 ÷ 580 ≒ 1.12予算内に収めるには、残りを1.12の効率で進める必要がある

差異と指数の計算は EVMの計算問題|SV・CV・SPI・CPI で、例題を使って練習できます。EAC の式は前提によって4つあり、使い分けは EACの計算式4パターン で解説しています。

PMP で出る計算全体の地図は PMPの計算問題の公式一覧 にまとめました。

EVMの弱点は?

EVM は便利ですが、数字だけでは見えないことがあります。数字が良くても悪くても、原因を確かめてから判断するのが基本です。主な弱点は次の4つです。

  • SPI は終盤に1へ近づく:作業がすべて終わると、EV も PV も BAC になります。そのため、遅れて終わっても SPI は1.0になります(次の節の例)。
  • どの作業が遅れているかは分からない:SPI は全体をならした値です。余裕のある作業が先に進んでいると、クリティカルパス上の遅れが隠れます。
  • 品質は測らない:「完了」の基準があいまいだと、手直しが必要な作業まで EV に入り、実態より良く見えます。
  • 準備とデータ集めに手間がかかる:WBS、作業ごとの予算、EV の測り方を決め、AC を同じ範囲で集める必要があります。

SPIが終盤に1へ戻るのはなぜ?

PV は計画の終了日に BAC に達し、EV は作業がすべて終わった時点で BAC に達します。つまり、終わってしまえば EV と PV は同じ値です。数字で確かめると、次のとおりです。

遅れて終わっても SPI が1.0になる例

完了した時点では EV = BAC、PV = BAC → SPI = 1.0

  1. 1計画:10か月で完了、BAC 1,000万円
  2. 2実際:12か月目の終わりに完了した
  3. 312か月目の PV = 1,000万円(計画では10か月目で全額)
  4. 412か月目の EV = 1,000万円(作業はすべて完了)
  5. 5SPI = 1,000 ÷ 1,000 = 1.0、SV = 0

2か月遅れたのに、SPI は「計画どおり」を示す

当サイトの架空の例

終盤や、遅れが疑われるときは、SPI だけで判断しません。クリティカルパスやマイルストーンの日付でも遅れを確かめます。

アジャイルのプロジェクトでもEVMは使う?

使えます。ただし、計画の単位が違う点に注意が必要です。リリースまでに予定したストーリーポイントの合計を全体の量とし、完了したポイントの割合を完了率とみなす方法があります。

たとえばリリースの予算が600万円、予定が200ポイント、完了が80ポイントなら、完了率は40%で、EV は240万円です。完了として数えるのは、完了の定義(DoD)を満たしたストーリーだけです。

ただし、バックログは途中で増減するので、基準をそろえ直す必要があります。アジャイルの状況は、バーンアップチャートやベロシティで見ることが多く、EVM はその補助として使います。

PMP試験ではどう問われる?

ECO 2026年版の Process タスク6は「財務の計画と管理」です。支出の追跡の計画と、財務上の差異の監視が含まれます。タスク9「プロジェクト状況の評価」には、指標の作成と分析、進捗の評価があります。EVM はこの2つのタスクで使う代表的な道具です。

旧版(2021年版)では、予算は資源と一緒に Process タスク5「予算と資源の計画と管理」にまとめられていました。2026年版では財務が独立したタスクになり、財務報告や予備の管理も明記されました。

新しい試験には、グラフや図を読んで答える問題(Graphic-Based Questions)が加わりました。S字カーブを見せて状態を聞く形も考えられます。問われ方は、次の3つに分けて準備します。

  • 値を拾う:問題文の数字から PV・EV・AC を取り出す。完了率から EV を計算させる形に注意。
  • グラフを読む:線の上下の位置から、遅れと予算超過を判断する。
  • 次の行動を選ぶ:数字が悪いときは、原因を分析し、関係者に報告し、必要なら是正処置や変更要求に進む。

EVM の結果は、スポンサーや運営委員会(ステアリング・コミッティ)への状況報告にそのまま使えます。報告の組み立て方は 進捗報告の書き方 を参照してください。

確認問題1

報告すべき出来高はいくらか

(当サイトの独自問題)総予算800万円の社内研修プロジェクトの月次報告を準備しています。報告日の時点で、計画上は480万円分の作業を終える予定でした。実際に完了した作業は全体の50%で、実際に使った費用は450万円です。プロジェクト・マネジャーが報告書に記載すべき出来高(EV)はどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:2。EV = BAC × 実際の完了率 = 800万円 × 0.5 = 400万円です。

1:480万円は、予定の作業の予算額(PV)です。3:450万円は、実際に使った費用(AC)にあたります。4:240万円は、PV に完了率を掛けた値(480 × 0.5)です。完了率は全体(BAC)に対する割合なので、BAC に掛けます。

確認問題2

完了率の申告に根拠がない

(当サイトの独自問題)予測型のプロジェクトで、チームリーダーから週次報告が届きました。「予算の60%を使ったので、作業も60%完了です」と書かれています。成果物のレビューは、まだ一部しか終わっていません。スポンサーへの報告は明日です。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:3。使ったお金の割合は AC の話で、作業の完了度(EV)とは別物です。計画時に決めた出来高の測り方で、完了した作業を数え直してから報告します。

1:確かめる順番が逆で、根拠のない数字をスポンサーに出すことになります。2:経過期間の割合も、作業の完了度を表しません。4:決まった報告を延ばすと、スポンサーが判断に使う情報が遅れます。今ある事実で測り直して報告します。

確認問題3

S字カーブから状態を読む

(当サイトの独自問題)運営委員会の資料に、PV・EV・AC の累計を重ねたグラフがあります。報告日の時点では、PV の線が最も上、次が EV、最も下が AC です。委員の1人が状況の説明を求めました。プロジェクト・マネジャーの説明として正しいものはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:4。EV が PV より下なので、スケジュールは遅れています。AC が EV より下なので、できた分に対して使ったお金は少なく、コストは予算内です。

1:EV<PV なので、前倒しではありません。AC<EV なので、予算超過でもありません。2:AC<EV なので、予算超過ではありません。3:EV と PV の線が離れているので、計画どおりではありません。

次に何をすればいい?

まず PV・EV・AC の3つを、問題文から確実に拾えるようにします。ここが曖昧なまま公式を覚えると、計算問題で取り違えます。

グラフや数字から状況を読む問題は、本番の形式で慣れておくと迷いが減ります。無料模試30問は登録不要で、本番と同じ形式の問題を試せます。

よくある質問

EVとACはどう違いますか?

EV は「完了した作業に割り当てた予算」、AC は「実際に使ったお金」です。同じ作業を基準に比べるので、AC が EV より大きければ予算超過と分かります。

PVはプロジェクトの途中で変わりますか?

PV はベースライン(計画)から読む値です。承認された変更でベースラインを改訂しない限り、変わりません。

完了率はどうやって決めますか?

作業の実際の完了度で決めます。使った予算や経過日数の割合ではありません。途中の作業は、計画時に決めた測り方(0/100、50/50、重み付けマイルストーンなど)で数えます。

SPIが1なら、遅れはないと言えますか?

言えません。作業がすべて終わる終盤は、遅れていても SPI は1に近づきます。また、SPI は全体をならした値なので、クリティカルパス上の遅れが隠れることがあります。日程でも確かめます。

出典・参考

  1. [1]PMI: PMP Examination Content Outline(2026年7月版。Process タスク6・9)
  2. [2]PMI: PMP Examination Content Outline(2021年1月版・旧版。Process タスク5)
  3. [3]PMI: PMBOK® Guide(EVM の用語の出典)
  4. [4]GAO: Cost Estimating and Assessment Guide(GAO-20-195G、2020年。EV の測り方の表21は PMI の Practice Standard for Earned Value Management 第2版にもとづく)

本番と同じペースで腕試し

記事の次は、本番形式の問題で。

3つの領域(People/Process/Business Environment)の出題比率どおりに組んだ無料模試を、登録不要・カード不要で解けます。続きの本番形式模試とタスク別ドリルは買い切りで、月額はかかりません。

PMP試験(Project Management Professional)

180問・240分の本番形式模試とタスク別ドリル・¥9,800(税込・買い切り)

PMPの無料模試30問
料金と収録内容を見る →

当サイトは Project Management Institute, Inc.(PMI)とは関係のない個人が運営する非公式の学習教材です。PMI、PMP、PMBOK は PMI の登録商標です。掲載している問題はすべて当サイトのオリジナルで、実際の試験問題・過去問題・再現問題ではありません。受験資格・受験料・出題範囲は PMI の公式サイト(https://www.pmi.org/certifications/project-management-pmp )で必ず確認してください。合格を保証するものではありません。合格の目安・領域別の評価は当サイトの推定です。

← 対策記事の一覧へ