PMP試験 2026年新形式 対応プロマネ模試
PMP STUDY GUIDE計算問題(EVM・スケジュール)PMP

PMPの計算問題の公式一覧|新試験での出方・電卓・解き方

PMP試験(2026年7月〜の新ECO)の計算問題の公式を、EVM・スケジュール・コストと意思決定・品質と調達・アジャイルの5分野で一覧に。電卓の扱い、よくある誤り、解き方の手順、確認問題3問つき。

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約13分
執筆
プロマネ模試 編集部
まず結論

この記事の要点

  • PMI は計算問題の数を公表していません。出題の中心は状況判断で、計算はその材料として出ると考えるのが現実的です。
  • 公式は5分野に分けると覚えやすくなります。EVM、スケジュール、コストと意思決定、品質と調達、アジャイルです。
  • テストセンターのコンピューター試験には、電卓が組み込まれています。手を挙げれば、卓上の電卓も頼めます(PMI 認定ハンドブック 2026年6月改訂版)。
  • どの分野も「値を書き出す → 前提に合う式を選ぶ → 検算する → 判断につなげる」の順で解けます。

新試験で計算問題はどのくらい出る?

結論から言うと、計算問題の数は公表されていません。

ECO 2026年版に書かれているのは、試験全体の形です。全180問(採点対象170問・採点されない事前テスト10問)で、試験時間は240分です。10分の休憩が2回あり、試験時間には含まれません。

領域の配分は People 33%・Process 41%・Business Environment 26%です。問題の約40%が予測型で、残りの約60%がアジャイルとハイブリッドです。

PMP の問題の多くは「次に何をすべきか」を問う状況問題です。計算はそれ自体が目的ではなく、判断の材料として出ると考えて準備するのが効率的です。試験の範囲の全体は 新ECO(2026年版)の26タスク一覧 にまとめています。

計算はどのタスクで問われる?

ECO 2026年版には、「計算」という独立した項目はありません。ただ、タスクの中身を読むと、数字が判断の材料になる場面が分かります。当サイトで対応をまとめました。

ECO 2026 のタスクと計算の対応(タスク名は ECO の記載、対応づけは当サイトの整理)
ECO 2026 のタスク関わる計算
Process 6:財務の計画と管理EVM(CV・CPI・EAC・TCPI)、コスト・ベースライン、予備費
Process 8:スケジュールの計画と管理クリティカルパス、フロート、三点見積もり、スケジュール短縮
Process 9:プロジェクトの状況を評価SPI・CPI などの指標、バーンダウン・バーンアップの読み取り
Process 3:価値ベースのデリバリーを確実に支援するNPV・BCR・回収期間(投資に見合う価値か)
Process 5:調達の計画とマネジメントインセンティブ契約の支払額
Process 7:プロダクト/成果物の品質の計画と最適化品質コスト、管理図の読み取り
Business Environment 5:リスクの計画とマネジメントEMV、デシジョンツリー
People 8:コミュニケーションの計画と管理コミュニケーション・チャネル数

表は、出題の数を示すものではありません。どのタスクでも、計算そのものより「数字から何を判断するか」が問われると考えてください。

EVMの公式は?

EVM の式は、PV・EV・AC・BAC の4つの値から作られます。EV の意味は EVM(アーンドバリュー)とは? で図を使って解説しています。

EVM の公式一覧
名前式読み方
EV(出来高)BAC × 実際の完了率完了した作業の予算額
SV(スケジュール差異)EV − PVマイナスなら遅れ
CV(コスト差異)EV − ACマイナスなら予算超過
SPI(スケジュール効率指数)EV ÷ PV1未満なら遅れ
CPI(コスト効率指数)EV ÷ AC1未満なら予算超過
EAC ①BAC ÷ CPI今のコスト効率が続く
EAC ②AC + (BAC − EV)差異は一時的で、残りは計画どおり
EAC ③AC + (BAC − EV) ÷ (CPI × SPI)コストとスケジュールの両方の効率が影響
EAC ④AC + ボトムアップETC見積りの前提が崩れ、残りを見積り直す
ETC(残作業コスト見積り)EAC − AC完成までにあといくら
VAC(完成時差異)BAC − EACマイナスなら予算不足の見込み
TCPI(BAC 基準)(BAC − EV) ÷ (BAC − AC)1より大きいほど厳しい
TCPI(EAC 基準)(BAC − EV) ÷ (EAC − AC)承認された EAC に収める効率

覚え方のコツは3つです。1つめ、差(SV・CV)も指数(SPI・CPI)も、EV が先頭に来ます。2つめ、差はマイナス、指数は1未満が「悪い」です。3つめ、コスト(C)は AC と、スケジュール(S)は PV と比べます。

EVMを1つの例で通して計算すると?

EVM の問題は、1つの状況から差・指数・見込みを続けて出す形が多いです。同じ数字で通して計算してみます。

EVM の一連の計算(例)

BAC 1,000・PV 500・EV 400・AC 500(万円)

  1. 1SV = 400 − 500 = −100、SPI = 400 ÷ 500 = 0.8
  2. 2CV = 400 − 500 = −100、CPI = 400 ÷ 500 = 0.8
  3. 3EAC ① = 1,000 ÷ 0.8 = 1,250
  4. 4ETC = 1,250 − 500 = 750、VAC = 1,000 − 1,250 = −250
  5. 5TCPI(BAC 基準)= (1,000 − 400) ÷ (1,000 − 500) = 1.2

遅れ・超過。今の効率なら250万円不足し、予算内に収めるには効率を0.8から1.2に上げる必要がある

当サイトの架空の例

差がマイナスで、指数が1未満なので、遅れと予算超過が同時に起きています。状況問題では、この数字を出した後に「原因を分析し、対策を関係者と決める」行動が問われます。

スケジュールの計算は?

スケジュールの公式一覧
名前式ポイント
クリティカルパス所要期間の合計が最長の経路その長さがプロジェクトの最短期間
フォワードパスEF = ES + 期間(0始まり)合流点の ES は先行の EF の最大値
バックワードパスLS = LF − 期間(0始まり)分岐点の LF は後続の LS の最小値
トータルフロートLS − ES(= LF − EF)完了日を遅らせずに遅らせられる日数
フリーフロート後続の ES の最小値 − 自分の EF後続を遅らせずに遅らせられる日数
PDM のリード・ラグFS +ラグ:後続の ES = 先行の EF + ラグ(リードは引く)SS・FF は先行の開始・終了を基準にする
三角分布(O + M + P) ÷ 3単純平均
PERT(ベータ分布)(O + 4M + P) ÷ 6最可能値を4倍で重み付け
標準偏差(PERT)(P − O) ÷ 6経路では分散を足して平方根
期間の幅期待値 ± 標準偏差 × 1・2・3正規分布で近似すると約68%・約95%・約99.7%
クラッシュ・コスト/日(クラッシュ時コスト − 通常コスト) ÷ (通常期間 − クラッシュ期間)クリティカルパス上で安い順に縮める

スケジュールの計算は、資源の制約と組み合わせて問われることもあります。人や設備の取り合いを調整する考え方は 資源平準化 で扱っています。

コスト・意思決定の計算は?

コストと意思決定の公式一覧
名前式判断
EMV(期待金額価値)発生確率 × 影響額脅威はマイナス、好機はプラス
デシジョンツリー案ごとに Σ(確率 × 結果の金額)費用なら小さい案、利益なら大きい案
コスト・ベースライン作業の見積り合計 + コンティンジェンシー予備EVM の BAC になる
プロジェクト予算コスト・ベースライン + マネジメント予備マネジメント予備の使用には承認が必要
現在価値将来の金額 ÷ (1 + 割引率)^年数遠い将来ほど小さい
NPV(正味現在価値)収入の現在価値の合計 − 初期投資大きい方。年数で割らない
IRR(内部収益率)NPV が0になる割引率大きい方。求める収益率と比べる
BCR(便益費用比)便益 ÷ 費用1より大きければ価値あり。大きい方
ROI(投資利益率)(便益 − 費用) ÷ 費用大きい方。BCR から1を引いた値と同じ
回収期間初期投資 ÷ 1年あたりの収入(均等の場合)短い方
コミュニケーション・チャネル数n(n − 1) ÷ 2プロジェクト・マネジャーも n に含める

選定の指標が複数並んだら、NPV や IRR のように時間価値を含む指標を優先して判断するのが基本です。回収期間だけ、BCR だけが示されているときは、その指標で比べます。

品質・調達の計算は?

品質と調達にも、式で解く問題があります。式は単純ですが、比率の向きや線の意味を取り違えやすい分野です。

品質と調達でよく使う計算
名前式ポイント
管理限界(管理図)平均 ± 3σ(標準偏差の3倍)が多い限界の外に1点、または片側に7点連続なら管理外
品質コスト適合コスト(予防・評価)+ 不適合コスト(内部・外部の失敗)予防に使うほど、失敗のコストが減りやすい
CPIF のフィー目標フィー + (目標コスト − 実コスト) × 売り手の分担比率節約なら増え、超過なら減る。支払額は実コスト + フィー
PTA(FPIF)(上限価格 − 目標価格) ÷ 買い手の分担比率 + 目標コスト実コストがこれを超えると、超えた分は売り手の負担

アジャイルの計算は?

アジャイルの計算は、ほとんどが割り算と平均です。

アジャイルでよく使う計算
名前式例
ベロシティ(平均)直近のイテレーションの完了ポイントの平均(24 + 28 + 26) ÷ 3 = 26
必要なイテレーション数残りのポイント ÷ ベロシティ(切り上げ)130 ÷ 26 = 5
リリースまでの期間イテレーション数 × 1イテレーションの期間5 × 2週間 = 10週間
チームの稼働できる時間人数 × 日数 × 1日の作業時間 × 稼働率5人 × 10日 × 6時間 × 0.8 = 240時間

バーンダウンチャートやバーンアップチャートでは、計算よりも「線の傾きから、いつ終わりそうか」を読む問題が中心です。残りの量を示す線の下がり方が予定の線よりゆるければ、予定より遅れています。

電卓は使える?計算の環境は?

PMI 認定ハンドブック(2026年6月改訂版)によると、テストセンターで受けるコンピューター試験には電卓が組み込まれています。試験中に手を挙げれば、卓上の電卓を頼むこともできます。

メモには、冊子のメモ用紙と鉛筆2本、または消せるマーカーボード2枚が渡されます。どちらになるかはテストセンターの備品しだいで、受験者は選べません。紙で受ける試験でも、電卓は配られます。

オンライン受験の決まりは、試験の実施会社(Pearson VUE など)の案内に従います。受験の前に確かめてください。

電卓があっても、時間のかけすぎには注意が必要です。240分で180問なので、1問あたりの平均は約80秒です。試験対策の数字は 0.8・1.25 のように暗算しやすいものが多く、式を選ぶ速さが点数を左右します。

計算問題を速く正確に解く手順
  1. 1

    値を書き出す

    PV・EV・AC、期間、確率など、問題文の数字に名前を付ける

  2. 2

    前提を読む

    「今の傾向が続く」「一度きり」「ベータ分布」など、式を決める言葉を探す

  3. 3

    式に入れる

    分子と分母、符号を確かめて計算する

  4. 4

    検算する

    掛け算で戻す(PV × SPI = EV など)

  5. 5

    判断につなげる

    数字の意味を読み、「次に何をするか」を選ぶ

当サイトの整理

計算を含めた勉強の進め方は PMP の勉強法 で解説しています。

よくある誤りは?

計算問題の失点は、式を知らないことより、向きや前提の取り違えから起きます。解いた後に次の7点を見直すだけで、ミスはかなり減らせます。

  • 差の符号を逆にする:SV = PV − EV としてしまう。EVM の差は、どれも EV から引く。
  • 割る向きを逆にする:CPI・SPI・BCR は、EV や便益を分子に置く。大きいほど良い形になる。
  • EAC の前提を読み違える:「今の傾向が続く」なら BAC ÷ CPI、「一度きりの差異」なら AC + (BAC − EV)。
  • TCPI の基準を取り違える:当初の予算なら BAC、承認された新しい見込みなら EAC を使う。
  • チャネル数で自分を数え忘れる:プロジェクト・マネジャーも n に入れる。
  • NPV を年数で割る:NPV は、現在価値の合計から初期投資を引くだけ。
  • クリティカルパス以外を縮める:完了日は早まらず、費用だけが増える。

確認問題1

今の傾向が続く場合の完成時見込み

(当サイトの独自問題)BAC 400万円のプロジェクトで、PV は180万円、EV は160万円、AC は200万円です。原因を分析した結果、今のコスト効率は今後も続くと判断しました。スポンサーへの報告に記載する EAC はどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:3。CPI = 160 ÷ 200 = 0.8。今の効率が続くので、EAC = BAC ÷ CPI = 400 ÷ 0.8 = 500万円です。

1:AC + (BAC − EV) = 440万円で、残りが計画どおりの効率で進む前提の式です。2:BAC のままで、差異を反映していません。4:CPI × SPI を使う式の値です(SPI = 160 ÷ 180 ≒ 0.89、200 + 240 ÷ (0.8 × 160/180) = 537.5)。スケジュールの効率も影響する前提の式です。

確認問題2

スポンサーの質問に合う指標

(当サイトの独自問題)運営委員会(ステアリング・コミッティ)で、スポンサーから質問がありました。「当初の予算内で完成させるには、残りの作業をどれだけ効率よく進める必要があるのか」。新しい EAC は、まだ承認されていません。プロジェクト・マネジャーが示すべき指標はどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:2。当初の予算(BAC)に収めるために、残りの作業に必要な効率を示すのは、BAC 基準の TCPI = (BAC − EV) ÷ (BAC − AC) です。

1:承認された新しい EAC に収めるための効率で、EAC はまだ承認前です。3:これまでの効率で、これから必要な効率とは違います。4:完成時の予算の過不足の見込みで、効率ではありません。

確認問題3

残りのイテレーション数

(当サイトの独自問題)アジャイルのチームの直近3回のベロシティは、24・28・26ポイントです。リリースまでに残っているバックログは130ポイントで、内容の変更は予定されていません。プロダクトオーナーに、あと何回のイテレーションが必要かの見通しを伝えます。正しいものはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:4。平均ベロシティは (24 + 28 + 26) ÷ 3 = 26ポイント。130 ÷ 26 = 5回です。

1:最も低いベロシティ24で割り、切り上げた値です(130 ÷ 24 ≒ 5.4 → 6)。悲観側の見通しには使えますが、平均による見通しではありません。2:最も高いベロシティ28で割り、端数を切り捨てた値です(130 ÷ 28 ≒ 4.6)。3:3回分の合計78で割った値(130 ÷ 78 ≒ 1.7 → 2)で、1回あたりの量になっていません。

次に何をすればいい?

公式の表を見ながら1問ずつ解き、慣れたら表を見ずに解けるかを確かめます。間違えた式だけを書き出しておき、試験の直前に見直すと効率的です。

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よくある質問

PMP の計算問題は何問くらい出ますか?

PMI は計算問題の数を公表していません。ECO 2026年版に示されているのは領域ごとの配分(People 33%・Process 41%・Business Environment 26%)などです。計算は、状況問題の判断材料として出ると考えて準備するのが現実的です。

PMP の試験で電卓は使えますか?

テストセンターのコンピューター試験には、電卓が組み込まれています。手を挙げれば、卓上の電卓も頼めます(PMI 認定ハンドブック 2026年6月改訂版)。オンライン受験の決まりは、実施会社の案内で確かめてください。

EAC の式はいくつ覚えればよいですか?

標準の4つです。BAC ÷ CPI、AC + (BAC − EV)、AC + (BAC − EV) ÷ (CPI × SPI)、AC + ボトムアップETC。問題文の前提(今の傾向が続く・一度きり・両方の指数・見積りの誤り)で選びます。

計算の勉強にはどのくらい時間をかければよいですか?

公式の数は限られています。表の公式を一通り解ける状態にしたら、あとは状況問題の中で使う練習に時間を回すのがおすすめです。

出典・参考

  1. [1]PMI: PMP Examination Content Outline – 2026(PDF。問題数・時間・領域の配分・タスク)
  2. [2]PMI: PMI Certification Handbook(2026年6月改訂。電卓・メモ用具の扱い)
  3. [3]PMI: Project Management Professional (PMP)(試験内容の概要 ECO 2026年7月版の入手先)

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