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パフォーマンスドメインとは?PMBOK第7版・第8版の要点とECO対応表

PMBOKガイドのパフォーマンス・ドメイン(パフォーマンス領域)を解説。第7版の8つと第8版の7つの要点、PMP試験のECOの3ドメインとの違い、26タスクとの対応表まで。確認問題3問つき。

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執筆
プロマネ模試 編集部
まず結論

この記事の要点

  • パフォーマンス・ドメインは、PMBOK®ガイド第7版(2021年)から使われている「成果を出すために目を配る分野」です。第7版は8つ、第8版は7つです。
  • 第7版は働き方(計画・デリバリー・測定など)の切り口、第8版はスコープ・スケジュール・財務などの管理対象の切り口です。
  • PMP 試験の ECO の「ドメイン」は、People・Process・Business Environment という出題範囲の区分で、別物です。
  • ECO 2026年版の26タスクと第8版の領域の対応表を載せました。試験勉強は ECO のタスクを軸にし、領域は知識の整理に使います。

パフォーマンス・ドメインとは?

パフォーマンス・ドメイン(Performance Domain)は、PMBOK®ガイド第7版(2021年)で導入された言葉です。日本語では「パフォーマンス領域」とも呼ばれ、第8版の日本語版はこの名前です。プロジェクトが成果を出すために、まとめて目を配るべき活動の分野を指します。

第6版までの「知識エリア」と似ていますが、説明の仕方が違います。知識エリアは、どんなプロセスを、どの順番で、何を使って行うかを説明しました。パフォーマンス・ドメインは、その分野がうまくいくとどんな状態になるか(望ましい成果)を中心に説明します。手順より結果を重視する考え方です。

第8版(2025年)でもこの言葉は引き継がれ、中身は7つの領域に整理されました。ガバナンス・スコープ・スケジュール・財務・ステークホルダー・資源・リスクの7つです。

第7版の8つのドメインの要点は?

第7版のドメインは、働き方の切り口で8つに分かれています。それぞれ何に目を配り、うまくいくとどうなるかを、当サイトの言葉でまとめました。

第7版の8つのパフォーマンス・ドメイン(日本語名と説明は当サイトの要約)
ドメイン何に目を配るかうまくいっている状態の例
ステークホルダー関係者を見つけ、関わり方を良くする関係者が目的に納得し、協力している
チームチームの環境・文化・リーダーシップメンバーが責任を共有し、力を発揮している
開発アプローチとライフサイクル予測型・適応型などの進め方と段階の選び方成果物に合った進め方と区切りが選ばれている
計画状況に見合った粒度の計画と、その調整計画が整理され、変化に合わせて見直されている
プロジェクト作業日々の作業の回し方、調達、知識の扱い作業が効率よく回り、関係者との連絡が保たれている
デリバリー要求・スコープ・品質と、価値の提供求められた価値が届き、関係者が受け入れている
測定指標で状況をつかみ、判断に使う信頼できるデータで、適切な判断ができている
不確かさリスク・あいまいさ・複雑さへの備え不確かな状況を見越し、脅威を減らして好機を生かしている

8つは互いにつながっています。たとえば「計画」の細かさは「開発アプローチ」で変わり、「測定」の結果は「不確かさ」への対応に使われます。第7版の原則と合わせた全体像は PMBOK第7版とは? で解説しています。

第8版では7つの領域にどう変わった?

第8版では、領域の切り口が働き方から管理対象に変わりました。各領域の中にプロセスが置かれ、合計は40です。内訳は、ガバナンス9・スコープ6・スケジュール3・財務4・ステークホルダー7・資源5・リスク6です。

第7版と第8版のパフォーマンス・ドメイン

第7版(8領域)

  • ステークホルダー
  • チーム
  • 開発アプローチとライフサイクル
  • 計画
  • プロジェクト作業
  • デリバリー
  • 測定
  • 不確かさ

第8版(7領域)

  • ガバナンス
  • スコープ
  • スケジュール
  • 財務
  • ステークホルダー
  • 資源
  • リスク

第8版は管理対象の切り口に戻り、第6版の知識エリアに近い見た目になった。

第8版は日本語版の目次の名前(〜・パフォーマンス領域を略)。第7版の日本語名は当サイトの訳。左右の行は対応していない。

  • ガバナンス:誰が何を決めるか、報告やエスカレーションの経路、全体の統制。
  • スコープ:何を作り、何を作らないか。要求と成果物の定義。
  • スケジュール:作業の順序と期間、進み具合の管理。
  • 財務:予算、コストの見通し、予備費、投資に見合う価値。
  • ステークホルダー:関係者を見つけ、関心を理解し、関わり方を良くする。
  • 資源:人・設備・材料をそろえ、チームが力を発揮できるようにする。
  • リスク:不確かさ(脅威と好機)を見つけ、備え、対応する。

ECOの3領域とはどう違う?

PMP 試験の出題範囲を定める ECO(Examination Content Outline)にも、Domain という言葉が出てきます。しかし、これは PMBOK®ガイドのパフォーマンス・ドメインとは別のものです。

ECO 2026年版のドメインは、People(33%)・Process(41%)・Business Environment(26%)の3つです。出題の比率を決めるための区分です。

各ドメインの下には、PM の責任を表すタスクが並びます(People 8・Process 10・Business Environment 8 の計26)。タスクごとに、具体的な仕事の例(イネーブラー)が添えられています。

PMBOK®ガイドのドメインと ECO のドメインの違い
PMBOK®ガイドのパフォーマンス・ドメインECO のドメイン
文書PMBOK®ガイド(知識の本)ECO(試験の出題範囲)
数第7版は8、第8版は73(People・Process・Business Environment)
目的成果を出すための知識を整理する試験の出題比率とタスクを決める
中の単位望ましい成果、プロセス(第8版)26のタスクとイネーブラー
試験での使い方用語や考え方の辞書勉強の地図

ECO 自身も、ECO と PMBOK®ガイドの間には違いがあると明記しています。試験で問われるのは、ECO のタスクを実際の場面でどう実行するかです。

ECOの26タスクと第8版の領域の対応表

ECO 2026年版の26タスクが、第8版のどの領域の知識と関係が深いかを、当サイトで整理しました。タスク名は当サイトの訳です。一対一の対応ではないので、「このタスクの知識はどこで調べるか」の目安として使ってください。

ECO 2026年版のタスクと、関係の深い第8版の領域(当サイトの整理・目安)
ECO のタスク関係の深い第8版の領域
People 1:共通のビジョンをつくるステークホルダー
People 2:対立を管理する資源
People 3:チームをリードする資源
People 4:ステークホルダーを関与させるステークホルダー
People 5:ステークホルダーの期待をそろえるステークホルダー
People 6:ステークホルダーの期待を管理するステークホルダー
People 7:知識の移転を確実にするガバナンス(プロジェクト知識のマネジメント)、資源
People 8:コミュニケーションを計画・管理するステークホルダー(コミュニケーションのプロセスを含む)
Process 1:統合した計画をつくり、提供の仕方を計画するガバナンス、スコープ、スケジュール、財務
Process 2:スコープをつくり管理するスコープ
Process 3:価値に基づく提供を確実にするスコープ、財務
Process 4:資源を計画・管理する資源
Process 5:調達を計画・管理するガバナンス(調達戦略の計画)、財務
Process 6:財務を計画・管理する財務
Process 7:成果物の品質を計画・最適化するガバナンス(品質保証のマネジメント)、スコープ(受入基準)
Process 8:スケジュールを計画・管理するスケジュール
Process 9:プロジェクトの状況を評価するガバナンス
Process 10:プロジェクトの終結を管理するガバナンス
Business 1:ガバナンスを定めるガバナンス
Business 2:コンプライアンスを計画・管理するガバナンス、リスク
Business 3:変更を管理・コントロールするガバナンス(変更の評価と実施)
Business 4:障害を取り除き、課題を管理するリスク、資源
Business 5:リスクを計画・管理するリスク
Business 6:継続的改善ガバナンス
Business 7:組織の変革を支援するステークホルダー
Business 8:外部の事業環境の変化を評価するリスク

表を見ると、ガバナンスの領域が多くのタスクにまたがっています。ECO 2026年版では Business Environment の比率も26%に上がりました。決め方・報告・変更の手続きは、重点的に押さえておく価値があります。

試験勉強ではどう使う?

おすすめは「ECO のタスクで問題を解き、わからない知識を領域で調べる」という使い分けです。

  1. ECO のタスクで弱点を見つける:タスク別に問題を解き、正答率の低いタスクを洗い出す(当サイトの タスク別ドリル はタスクごとに演習できます)。
  2. 対応表で調べる先を決める:たとえば People 2(対立)が弱いなら、資源の領域やチームづくりの知識を確認する。
  3. 原則で判断の軸を持つ:迷ったときは「価値に注力する」「自律的な文化を構築する」などの原則に照らす。原則の使い方は プロジェクトマネジメントの原則 で解説しています。

領域の名前や数を暗記する問題は、今の試験ではほとんど出ないと考えてよいでしょう。第6版の知識エリアと比べたい人は PMBOKの10の知識エリア を、ECO の中身は 新ECO(2026年版)の解説 をご覧ください。

確認問題1

ガバナンスとエスカレーション

(当サイトの独自問題)大規模なプロジェクトで、追加の予算が必要になった。プロジェクト・マネジャーには一定額までの決裁権があるが、今回の金額はその上限を超えている。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:1。決裁の上限やエスカレーションの経路は、ガバナンスで決められています。上限を超えるなら、決められた経路で承認を得ます。

2:分割は統制を逃れる行為で、不誠実です。3:原因の分析は必要ですが、作業をすべて止める理由にはなりません。4:マネジメント予備を使うには承認が必要です。

確認問題2

ドメインの区別

(当サイトの独自問題)PMP 試験の ECO 2026年版でいう「ドメイン」の説明として、最も適切なものはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:4。ECO のドメインは People(人)・Process(プロセス)・Business Environment(ビジネス環境)の3つで、出題比率を決める区分です。PMBOK®ガイドのドメインとは別のものです。

1:別の文書の別の区分です。2:進め方の比率(予測型が約40%)は、3つのドメイン全体にまたがって示されています。3:知識エリアを組み直したものではありません。

確認問題3

資源とチームの課題

(当サイトの独自問題)アジャイルのチームで、経験の浅いメンバーがレビューで指摘を受けるたびに黙ってしまい、作業が遅れている。ほかのメンバーは不満を持ち始めている。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:2。まず本人の状況を理解し、ペア作業やレビューの進め方など、チームとして解決策を考えます。チームが力を発揮できる環境づくりです。

1:原因を確かめずに外すのは早すぎます。3:品質を保つ仕組みをなくしてしまいます。4:話し合っても、我慢を頼むだけでは対立の原因が残ります。

よくある質問

パフォーマンス・ドメインと知識エリアの違いは何ですか?

知識エリア(第6版まで)は手順(プロセス)を中心に説明します。パフォーマンス・ドメイン(第7版から)は望ましい成果を中心に説明します。第8版では、ドメインの中でプロセスも説明されるようになりました。

第7版の8つのドメインは今も覚える必要がありますか?

名前の暗記はほぼ不要です。ただ、価値の提供・チーム・不確かさへの備えといった考え方は、今の試験の状況問題でも判断の軸になります。

PMP 試験はパフォーマンス・ドメイン別に出題されますか?

されません。出題範囲は ECO の3つのドメイン(People 33%・Process 41%・Business Environment 26%)と26のタスクで決まります。

出典・参考

  1. [1]PMI: PMP Examination Content Outline(2026年7月版, PDF)
  2. [2]PMI: PMBOK® Guide and Standards
  3. [3]PMI: PMBOK® Guide – Seventh Edition FAQs(PDF)

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