PMPとCAPMの違いは?一覧で比べる
まず、2つの違いを一覧で比べます。数字はPMIの公式資料(2026年10月時点)によります。
| 比べる点 | CAPM | PMP(2026年7月〜) |
|---|---|---|
| 対象 | これから経験を積む人、プロジェクトを支える人 | プロジェクトを率いる人 |
| 経験 | 不要 | 学歴に応じて、率いた経験24〜60か月(過去10年以内) |
| 研修 | プロジェクトマネジメントの教育23時間 | 35時間(有効なCAPMがあれば記録が免除) |
| 試験 | 150問・3時間 | 180問・240分(休憩10分×2回は別) |
| 範囲 | 基礎と考え方・予測型・アジャイル・ビジネス分析 | People・Process・Business Environment |
| 問われ方 | 用語や手法の知識と理解が中心 | 状況を読んで次の行動を選ぶ判断が中心 |
| 日本語での受験 | できる | できる |
| 更新 | 3年で15PDU | 3年で60PDU |
一番大きな違いは、プロジェクトを率いた経験が必要かどうかです。次に大きいのが、知識を問うか、判断を問うかという問われ方の違いです。
CAPMとはどんな資格?
CAPM(Certified Associate in Project Management)は、PMIが認定するプロジェクトマネジメントの入門資格です。PMIの公式ページは「経験不要」と明記しています。PMIという団体についてはPMIとは?で整理しています。
CAPMは、プロジェクトの基礎的な知識と考え方を持っていることの証明です。PMIの公式ページは、取得後の役割の例を挙げています。プロジェクトの補佐、事務・分析・調整の担当、プロジェクト・マネジャーなどです。
受験の条件は、高校卒業かそれに相当する学歴、18歳以上、23時間のプロジェクトマネジメントの教育です。PMIのブログは、経験を積み始めた人や、PMPの要件をまだ満たしていない人に合う資格だとしています。
受験資格はどう違う?PMPの経験の数え方
PMPの経験の要件は、学歴によって変わります。2026年版の出題範囲(ECO)では、学歴を国際的な水準(EQF・ISCED)で区分しています。
| 学歴 | 必要な、率いた経験(過去10年以内) |
|---|---|
| 高校卒業に相当 | 60か月(5年) |
| 短期高等教育(短大・高専・専門学校の専門課程など)に相当 | 48か月(4年) |
| 大学卒業に相当 | 36か月(3年) |
| PMIのGAC認定を受けたプログラムの学位 | 24か月(2年) |
経験は月数で数え、同時に率いた案件の期間を重ねて数えることはできません。日常業務や運用業務は含めません。どんな仕事が経験に入るかはプロジェクトとは?で解説しています。
CAPMには、このような経験の要件がありません。これが、2つの資格の一番の境目です。
試験の範囲と難易度はどう違う?
試験の形式と範囲を並べると、次のとおりです。
CAPM
- 150問・3時間(採点135問)
- 基礎と考え方 36%
- 予測型 17%
- アジャイル 20%
- ビジネス分析 27%
PMP(2026年7月〜)
- 180問・240分(採点170問)
- People 33%
- Process 41%
- Business Environment 26%
- 予測型約40%、アジャイル・ハイブリッド約60%
出典:CAPM Examination Content Outline、PMP Examination Content Outline – July 2026
CAPMは、用語や手法の知識と理解を問う比重が大きい試験です。ビジネス分析(要求の扱い方など)が4分の1以上を占めるのも特徴です。
PMPは、状況を読んで、次に何をするかを判断する問題が中心です。2026年7月からは、ケース問題や図表を読む問題も加わりました。範囲はECO 2026の解説で確かめられます。
PMIはどちらの合格率も公表していないため、数字で難易度は比べられません。ただ、経験の要件・問題数・状況判断の比重から見て、PMPの方が準備の負担は大きいと考えるのが自然です。
同じテーマでも、問われ方はどう違う?
「リスク」という同じテーマで、問われ方の違いを当サイトの例で示します。
知識を問う形(CAPMに多い)
- 問いの例1リスク登録簿に記録する項目はどれか
- 問いの例2リスクへの対応策の種類の名前と意味
- 決め手知っていれば1つに決まる
判断を問う形(PMPの中心)
- 問いの例1想定していたリスクが現実になった。次に何をするか
- 問いの例2対応策を実行する前に、誰と何を確かめるか
- 決め手状況・権限・順番から1つを選ぶ
当サイトの作例です。PMIの公式の問題ではありません。
CAPMの勉強で用語を押さえておくと、PMPの問題文を速く読めます。ただし、PMPでは「知っている」だけでは選べません。誰が決めるのか、何を先にするのかを判断する練習が別に必要です。
CAPMの勉強はPMPに生きる?
生きる部分と、足りない部分があります。
生きる部分は、用語と全体の流れです。予測型の計画の立て方、アジャイルの役割とイベント、要求の集め方などは、PMPでも前提の知識として使います。
足りない部分は、状況判断です。PMPでは、対立、ステークホルダーの期待のずれ、変更の要求、コンプライアンスなど、正解が1つに見えにくい場面が出ます。そこで手順と優先順位を選ぶ力が必要です。CAPMの後にPMPを目指すなら、この練習に時間を多く割くと効率的です。
POINT
CAPMの出題範囲は、PMIが公開している CAPM Examination Content Outline(2023年の改訂版)に基づきます。
更新の条件はどう違う?
どちらも3年ごとの更新ですが、必要なPDU(1時間=1PDUの学習の単位)の数が違います。
| 項目 | CAPM | PMP |
|---|---|---|
| 3年で必要なPDU | 15 | 60 |
| 教育の最低 | 9(3分野に各2以上) | 35(3分野に各8以上) |
| ギビングバックの上限 | 6 | 25 |
| 次のサイクルへの持ち越し | 5まで | 20まで |
CAPMの15PDUは、1年に5PDUずつ集めれば足ります。実務を続けていることで数えられるのは、CAPMでは2PDUまでです(PMPは8PDUまで)。
期限を過ぎた場合の扱い(停止・失効)は、どちらの資格も同じ仕組みです。詳しくはPMPが失効したら?で解説しています。
CAPMからPMPへ進む道は?
CAPMを先に取ると、PMPへ進むときに利点があります。2026年版のECOでは、有効なCAPMを持ち、学歴と経験の要件を満たしていれば、35時間の研修を記録する必要がないとしています。CAPMを持っていることが、35時間分の研修として扱われるからです。
- 1
CAPMを取る
経験不要。23時間の教育
- 2
プロジェクトの経験を積む
補佐から、率いる立場へ
- 3
CAPMを有効に保つ
3年で15PDU
- 4
PMPの経験の要件を満たす
大卒なら率いた経験36か月
- 5
PMPに申請
35時間の研修の記録が免除
当サイトの整理。CAPMが有効でないと免除は受けられません。
大事なのは、PMPに申請する時点でCAPMが有効であることです。たとえば、2025年10月にCAPMに合格した大卒の人が、2026年4月から率いる立場になったとします。経験が36か月に達するのは2029年3月で、CAPMの最初の更新期限(2028年10月)より後です。
この場合、2028年10月までに15PDUで更新しておけば、有効なCAPMのまま申請できます。更新を忘れて停止の状態になると、その間は免除を受けられません。
どちらを受けるべき?判断の基準
判断の軸は、PMPの経験の要件を満たしているかどうかです。
- 率いた経験が要件を満たしている:PMPを受けます。CAPMを経由する必要はありません。
- 経験はあるが、要件の月数に足りない:満たす時期を計算し、1年以上先ならCAPMで基礎を固めておく選択があります。
- 学生・新社会人、プロジェクトの補佐の立場:CAPMが合っています。
- プロジェクトに関わるが、率いる予定はない:CAPMで共通の言葉を身に付けるのが役立ちます。
満たす時期は、引き算で出せます。大卒で、重ならない率いた経験が20か月ある人なら、36−20=16か月です。1年以上先なので、その間にCAPMで基礎を固め、要件を満たした時点でPMPに申請する、という計画が立ちます。
PMPの問題が自分に合うかを確かめたい人は、無料模試30問で状況判断の問題を体験できます。CAPMの知識の問題との違いが、実際に解くとよく分かります。