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資源平準化と資源円滑化の違い|過負荷の解消とスケジュールへの影響

資源平準化と資源円滑化の違いを、数値例と資源ヒストグラムで解説。平準化で完了日やクリティカルパスが変わる理由、円滑化がフロートの範囲で調整する仕組み、スケジュール短縮との違いを確認問題3問で確かめます。

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執筆
プロマネ模試 編集部
まず結論

この記事の要点

  • 資源平準化は、資源の上限を守るために作業をずらす方法です。完了日が延びたり、クリティカルパスが変わったりすることがあります。
  • 資源円滑化は、フロート(余裕)の範囲だけで作業をずらす方法です。完了日は変わりませんが、過負荷を解消しきれないこともあります。
  • 試験では「完了日を変えずに」とあれば円滑化、「資源の上限を必ず守る」とあれば平準化、と見分けるのが基本です。
  • 資源の過負荷とは、ある人や設備に、使える量を超える作業が同じ時期に割り当てられた状態です。

資源平準化と資源円滑化の違いは?

どちらも、資源の使い方をならす資源最適化の技法です。違いは、何を優先するかです。平準化は資源の上限を守ることを、円滑化は完了日を守ることを優先します。

資源平準化と資源円滑化の違い(当サイトの整理)

資源平準化

  • 優先すること資源の上限を守ること
  • 作業の動かし方必要なら、クリティカルパス上の作業もずらす
  • 完了日延びることがある
  • クリティカルパス変わることがある
  • 過負荷の解消必ず解消できる

資源円滑化

  • 優先すること完了日を守ること
  • 作業の動かし方フロートの範囲だけでずらす
  • 完了日変わらない
  • クリティカルパス変わらない
  • 過負荷の解消解消しきれないことがある

見分け方は簡単です。問題文に「完了日は動かせない」とあれば円滑化を考えます。「その技能を持つ人は1人だけ」「設備は1台しかない」など、資源の上限が動かせないとあれば平準化を考えます。

資源の過負荷はなぜ起きる?

スケジュールを作るとき、多くの場合は、まず作業の順番と所要期間だけを考えます。そして、それぞれの作業をできるだけ早く始める計画(最早の計画)を作ります。

このとき「誰がその作業をするか」をあわせて見ると、同じ人に同じ日に複数の作業が重なっていることがあります。これが資源の過負荷です。主な原因は次のとおりです。

  • 特定の技能を持つ人が少なく、作業がその人に集中する。
  • 並行して進められる作業を、すべて最早の日程で始める計画にしている。
  • メンバーがほかのプロジェクトや通常業務と兼務していて、使える時間が限られている。
  • 設備や場所など、物的資源の数が限られている。

過負荷は、資源カレンダー(人や設備がいつどれだけ使えるか)とスケジュールを照らし合わせると見つかります。資源の計画全体は、資源マネジメント計画の作り方で解説しています。

資源平準化とは?

資源平準化(リソース・レベリング)は、資源の制約(使える量の上限)を守ることを優先して、作業の開始日や終了日を調整する方法です。資源の上限を超えないように作業をずらすので、必要ならクリティカルパス上の作業も後ろにずらします。

そのため平準化をすると、プロジェクトの完了日が延びることがあります。もともと別々に進められた作業が、同じ人を使うために順番に並ぶからです。その結果、クリティカルパスそのものが変わることもあります。

平準化を使うのは、資源の上限がどうしても動かせないときです。たとえば、その技能を持つ人が社内に1人しかいない、設備が1台しかない、といった場合です。

資源円滑化とは?

資源円滑化(リソース・スムージング)は、作業のフロートの範囲だけで作業をずらし、資源の使い方をならす方法です。フロートとは、その作業を遅らせても完了日に影響しない余裕のことです。

フロートの範囲でしか動かさないので、プロジェクトの完了日もクリティカルパスも変わりません。その代わり、フロートが足りなければ、過負荷を完全には解消できないこともあります。

円滑化を使うのは、完了日を守ることが優先で、資源の使い方をできるだけならしたいときです。

数値例:クリティカルパスと完了日はどう変わる?

具体的な例で確かめます。佐藤さんが1日に使える時間は8時間です。作業 A と作業 B は、どちらも佐藤さんが1日8時間かかりきりで行う作業だとします(架空の例)。

例1の作業一覧(架空の例)
作業所要日数担当先行作業
A4日佐藤さん(8時間/日)なし
B2日佐藤さん(8時間/日)なし
C3日鈴木さんA
D1日高橋さんB

経路は A→C(4+3=7日)と B→D(2+1=3日)です。クリティカルパスは A→C で、プロジェクトは7日目に終わります。B→D には、7−3=4日のフロートがあります。

最早の計画では A も B も1日目に始まるので、佐藤さんは1日目と2日目に16時間の作業を抱え、過負荷になります。ガントチャートに描くと、A と B の棒が1〜2日目で重なって見えます。

B を A の後(5〜6日目)に移すと、D は7日目に終わり、完了日は7日目のまま変わりません。B を4日遅らせただけで、フロート(4日)の範囲に収まっています。これは資源円滑化で解消できる例です。

フロートが足りないとき:平準化で完了日が延びる例

次に、B の後に続く作業が長い場合を考えます。例1の D を、4日かかる作業 E に替えます(担当は高橋さん、先行作業は B)。

経路は A→C(7日)と B→E(2+4=6日)になり、B→E のフロートは 7−6=1日しかありません。佐藤さんの過負荷を解消するには、B を A の後(5日目以降)に回す、つまり4日ずらす必要があります。フロートの範囲(1日)では足りないので、円滑化では解消しきれません。

そこで、資源の上限を優先する資源平準化を使います。考えられる順番は2通りです。

例2で資源平準化をした場合の2通りの順番(架空の例)
順番佐藤さんの作業後続の作業完了日
A を先にA:1〜4日目、B:5〜6日目C:5〜7日目、E:7〜10日目10日目
B を先にB:1〜2日目、A:3〜6日目E:3〜6日目、C:7〜9日目9日目

B を先にした方が早く終わるので、平準化後の完了日は9日目です。もとの7日目から2日延びました。さらに、佐藤さんを順番に使うため、B→A→C という新しい流れが最も長い経路になり、クリティカルパスが変わっています。

このように平準化は、資源の制約を守る代わりに、日程を延ばすことがある方法です。日程を延ばせないなら、別の人を確保する、作業を分担する、といった資源側の手を検討します。調整の結果は、スケジュールのベースラインやプロジェクトマネジメント計画書にも反映します。

図で見る:佐藤さんの作業時間はどうならされる?

例1で、佐藤さんの1日ごとの作業時間を比べます。資源ごとの作業量を期間ごとに棒で表した図は、資源ヒストグラムと呼ばれます。

例1:円滑化の前の佐藤さんの作業時間(時間/日)
  • 1日目16時間

    A+B(過負荷)

  • 2日目16時間

    A+B(過負荷)

  • 3日目8時間

    A

  • 4日目8時間

    A

  • 5日目0時間
  • 6日目0時間
  • 7日目0時間

円滑化の後は、1〜4日目が A、5〜6日目が B で、毎日8時間に収まる(7日目は0時間)。完了日は7日目のまま。

架空の例。上限は1日8時間

アジャイルでは、チームの作業量(キャパシティ)の範囲でスプリントの作業を選びます。過負荷は、作業の選び方で防ぐのが基本です。平準化と円滑化の違いはスケジュールの問題でよく出ます。タスク別ドリルの Process タスク8で練習できます。

スケジュール短縮(クラッシング・ファストトラッキング)とはどう違う?

試験では、資源の調整と、期間を縮める技法を混ぜた選択肢がよく並びます。目的の違いで見分けます。

資源最適化とスケジュール短縮の違い(当サイトの整理)
技法目的やること完了日への影響
資源平準化資源の上限を守る作業の時期をずらす(必要ならクリティカルパス上も)延びることがある
資源円滑化資源の使い方をならすフロートの範囲で作業をずらす変わらない
クラッシング期間を縮める人や費用を足して、クリティカルパス上の作業を短くする早まる(費用が増える)
ファストトラッキング期間を縮める順番に行う予定の作業を、並行して進める早まる(手戻りのリスクが増える)

資源最適化は「資源の使い方」を直す技法、スケジュール短縮は「期間」を縮める技法です。過負荷の解消を問われているのに、クラッシングやファストトラッキングを選ばないよう注意します。詳しくはクラッシングの記事で解説しています。

確認問題1

完了日を変えずに過負荷を解消したい

(当サイトの独自問題)スケジュールを確認すると、あるテスト担当者に、来月の第2週だけ通常の1.5倍の作業が割り当てられていました。重なっている作業の一部には、5日のフロートがあります。スポンサーからは、完了日は絶対に動かさないよう求められています。プロジェクト・マネジャーが使うべき方法として、最も適切なものはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:2。完了日を変えないことが条件で、フロートもあるので、フロートの範囲で作業をずらす資源円滑化が適切です。

1:資源平準化で、完了日が延びるおそれがあります。3:ファストトラッキングは期間を縮める方法で、過負荷の解消にはなりません。4:計画の段階で、過負荷を残業で吸収する前提にするのは不適切です。

確認問題2

平準化の後に完了日が延びた

(当サイトの独自問題)社内に1台しかない検査装置を、2つの作業が同じ週に使う計画になっていました。資源平準化を行ったところ、プロジェクトの完了日が3日延びるという結果になりました。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:3。平準化で完了日が延びるのは珍しくありません。装置の追加の手配や別の作業の前倒しなど、延長を避ける選択肢を検討します。そのうえで、影響とあわせてスポンサーに示し、判断を求めます。ベースラインを変えるなら、変更管理の手続きに乗せます。

1:チームの合意だけで、手続きを経ずにベースラインを書き換えています。2:装置が1台しかないので、元の計画は実行できません。4:関係者の合意なく、スコープを減らすことはできません。

確認問題3

平準化と円滑化の説明

(当サイトの独自問題)新任の PM が、資源平準化と資源円滑化の違いを整理しています。次のうち、正しい説明はどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:1。平準化は資源の上限を優先して作業をずらすので、完了日やクリティカルパスが変わることがあります。円滑化はフロートの範囲で動かすので、どちらも変わりません。

2:フロートの範囲だけで動かすのは、円滑化です。3:説明が逆です。4:どちらも開発の進め方で使い分けるものではなく、スケジュールの資源調整の方法です。

よくある質問

資源平準化と資源円滑化の一番の違いは何ですか?

平準化は資源の上限を守ることを優先し、必要ならクリティカルパス上の作業もずらすので、完了日が延びることがあります。円滑化はフロートの範囲だけで作業をずらすので、完了日は変わりません。ただし、過負荷を解消しきれないことがあります。

資源平準化でクリティカルパスが変わるのはなぜですか?

同じ資源を使う作業を順番に並べるため、資源による新しい順序のつながりが生まれるからです。その結果、もとはクリティカルパスでなかった作業が、最も長い経路に入ることがあります。

資源平準化とクラッシングはどう違いますか?

平準化は、資源の上限を守るために作業の時期をずらす方法で、完了日は延びることがあります。クラッシングは、人や費用を足してクリティカルパス上の作業を短くし、完了日を早める方法です。

資源ヒストグラムとは何ですか?

資源ごとの作業量を、日や週などの期間ごとに棒グラフで表した図です。上限を超えている期間が一目で分かるので、過負荷を見つけるのに使います。

出典・参考

  1. [1]PMI: PMP Examination Content Outline – July 2026(PDF)
  2. [2]PMI: Project Management Professional (PMP)

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記事の次は、本番形式の問題で。

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