PMP試験 2026年新形式 対応プロマネ模試
PMP STUDY GUIDE用語集PMP

RACIチャートとは?4つの役割の意味と作り方・責任分担表の例

RACI(レイシー)チャートの4つの役割の意味と、責任分担表の作り方を例で解説。Aを1人に限る理由、RASICなど派生形との違い、よくある失敗、PMP試験での問われ方まで。確認問題3問つき。

最終更新
読了目安
約9分
執筆
プロマネ模試 編集部
まず結論

この記事の要点

  • RACI は、作業ごとに誰が R(実行する)・A(最終責任を持つ)・C(相談を受ける)・I(結果を知らされる)かを示す責任分担表です。
  • 作り方は「作業を縦に、人を横に並べ、各マスに R・A・C・I を入れる」だけ。ルールは「1つの作業に A は1人」です。
  • 支援する人(S)を足した RASIC など、目的に合わせた派生形もあります。
  • PMP 試験では、役割があいまいで起きた混乱を、役割の明確化で解決する場面として問われます。

RACIの4つの役割とは?

RACI(レイシー、ラシなどと読みます)は、4つの役割の頭文字です。作業や成果物ごとに、関わる人の役割をこの4つで表します。

RACI の4つの役割
記号英語日本語でよく使う訳意味
RResponsible実行責任者実際に作業をする人。複数いてもよい
AAccountable説明責任者(最終責任者)作業の結果に最終的な責任を持ち、承認する人。1つの作業に1人
CConsulted相談先作業の前や途中で意見を求められる人(双方向のやりとり)
IInformed報告先結果や進み具合を知らされる人(一方向の連絡)

まぎらわしいのは R と A の違いです。R は手を動かす人、A は結果について説明する責任を負う人です。資料作成なら、作るのは担当者(R)、内容を承認して責任を持つのは課長(A)です。小さな作業では、同じ人が R と A を兼ねることもあります。

C と I の違いは、やりとりの向きです。C は意見を聞く(双方向)、I は知らせるだけ(一方向)です。

RACIを使うと何がよくなる?

役割を表にするだけで、次の4つが変わります。

  • 重複と抜けが減る:同じ作業を2人がしたり、誰も手を付けなかったりする事態を防げます。
  • 決める人がはっきりする:A が決まっているので、承認待ちで作業が止まりにくくなります。
  • 相談と報告の漏れが減る:C と I を見れば、誰に意見を聞き、誰に知らせるかがわかります。
  • 新しいメンバーにすぐ説明できる:表を見せれば、自分と周りの役割が一目でわかります。

RACIチャートの作り方は?

次の手順で作ります。

  1. 作業や成果物を縦に並べる:WBS の作業や、主な成果物・決めごとを並べる。細かすぎると表が大きくなるので、責任の分かれ目になる単位にする。
  2. 関わる人や役割を横に並べる:個人名でも、役割名(PM、開発リーダーなど)でもよい。
  3. 各マスに R・A・C・I を入れる:まず A を決め、次に R、最後に C と I を入れる。
  4. 縦と横で点検する:作業ごとに A が1人だけか、R がいるかを確かめる。人ごとに、R や A が集中しすぎていないかも見る。
  5. 関係者と合意する:表を見せて、本人たちが役割に納得しているかを確かめる。

責任分担表の例は?

社内研修の動画制作プロジェクトで、4人と1部署の役割を示した例です。

例:研修動画制作プロジェクトの RACI チャート(架空の例)
作業人事部長(スポンサー)PM制作担当講師法務部
研修の目的と範囲を決めるARICI
台本を書くIACRC
撮影・編集をするIARC―
著作権・肖像権を確認するIACCR
完成版を承認するARICI

どの作業にも A が1人だけいます。「台本を書く」の R は講師ですが、A は PM です。PM が台本の出来に責任を持ち、講師が書き、制作担当と法務部が意見を出す、という分担が表から読み取れます。

なぜAは1人に限るのか?

A を1人に限るのは、「最終的に誰が決め、誰が責任を負うか」をあいまいにしないためです。A が2人いると、次のようなことが起きます。

  • 決められない:2人の意見が割れたとき、どちらが決めるのかがわからず、作業が止まる。
  • 責任が押し付け合いになる:うまくいかなかったとき、「相手が見ていると思った」となる。
  • 承認が二重になる:両方の承認を待つことになり、時間がかかる。

共同で責任を持ちたい場面では、作業を分けてそれぞれに A を置きます。または、上位の人を A にして、2人を C にします。

RASIC・RACI-VS・CAIROとの違いは?

RACI には、役割を足した派生形があります。4つの役割では表しきれないときに使います。

RACI の主な派生形
名前足した役割向いている場面
RASICS(Support):実行する人を手伝う支援者作業を手伝う人を、実行責任者と分けて示したいとき
RACI-VSV(Verify):成果を検証する人/S(Sign-off):正式に承認する人検証や承認の手続きが重い業務(規制・監査がある仕事など)
CAIROO(Out of the loop):あえて関与させない人関わらない人をはっきり示し、余計な連絡を減らしたいとき

役割を増やすほど表は細かくなり、更新の手間も増えます。まずは RACI で始め、足りないときだけ役割を足すのが無難です。

よくある失敗は?

RACI チャートは作るのは簡単ですが、使い方で失敗しがちです。

RACI チャートのよくある失敗と直し方
失敗起きること直し方
A がいない作業がある誰も最終判断をせず、作業が宙に浮くすべての作業に A を1人置く
1人に R と A が集中その人がボトルネックになる作業を分けたり、権限を渡したりする
C が多すぎる意見集めに時間がかかり、決まらない本当に意見が必要な人だけを C にする
作っただけで共有しない本人が自分の役割を知らないキックオフ・ミーティング などで説明し、合意を取る
一度作って更新しない人の入れ替わりで実態とずれるメンバーが変わったら見直す

役割があいまいなままだと、問題が起きたときの原因分析も難しくなります。原因の探し方は 特性要因図とは? で解説しています。

PMP試験ではどう問われる?

PMP 試験で RACI は、責任分担マトリックス(RAM)の代表例として登場します。ECO 2026年版の People 領域「チームをリードする」タスクには、チーム内の役割と責任をはっきりさせることが含まれています。

よく出る場面は次のとおりです。

  • 作業が重複したり抜けたりしている → 役割と責任をはっきりさせる(RACI などで見える化する)。
  • 承認が遅れて作業が止まる → 誰が A かを確かめ、決める人をはっきりさせる。
  • 新しいメンバーが自分の役割を知らない → 責任分担表を共有し、説明する。
  • アジャイルのチーム → 細かい作業の割り当てはチームが自分で決める。RACI は、チームの外の関係者との役割分担に使うことが多い。

チームの役割づくりは PMP のチーム・リーダーシップ で、承認のタイミングとなる重要な時点は マイルストーンとは? で扱っています。役割をめぐる状況問題は 無料模試30問 で練習できます。

確認問題1

作業の重複と抜け

(当サイトの独自問題)複数の部署から集まったメンバーで進めるプロジェクトで、同じ資料を2人が別々に作っていたことがわかった。一方で、別の作業は誰も手を付けていなかった。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:1。重複と抜けは、役割と責任があいまいなときに起きます。責任分担表で見える化し、チームで合意するのが根本の対策です。

2:個人への注意では、仕組みの問題が残ります。3:PM が抱え込むと、別のボトルネックになります。4:PM が自分で解決できることを他部署に任せています。

確認問題2

Aが2人いる

(当サイトの独自問題)RACI チャートを確認すると、「仕様の承認」の作業に、営業部長と開発部長の2人が A として記入されていた。実際に2人の意見が割れて、仕様が2週間決まっていない。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:4。A が2人いることが、決まらない原因です。役割を決める権限を持つスポンサーを交え、最終的な決定者を1人にします。

1:PM には仕様を決める権限がありません。2:仕様が決まらないまま進めると手戻りが大きくなります。3:仕組みの問題を、説得で済ませようとしています。

確認問題3

CとIの使い分け

(当サイトの独自問題)法務部から「契約書の条項が決まってから知らされても遅い。案の段階で意見を言いたい」と申し入れがあった。RACI チャートで法務部は「契約書の作成」について I になっている。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:2。案の段階で意見を求めるなら、双方向のやりとりをする C が合っています。見直したら関係者に共有します。

1:I は結果を知らせるだけで、意見を言う機会になりません。3:承認の責任まで移すのは、申し入れの範囲を超えます。4:表から外すと、役割がかえってあいまいになります。

よくある質問

RACI の読み方は?

「レイシー」「ラシ」などと読まれます。決まった読み方はなく、職場によって違います。

Responsible と Accountable の違いは何ですか?

Responsible(R)は実際に作業をする人です。Accountable(A)は結果に最終的な責任を持ち、承認する人です。R は複数でもよいですが、A は1つの作業に1人にします。

RACI と責任分担マトリックス(RAM)の関係は?

責任分担マトリックスは、作業と担当者の対応を示す表の総称です。RACI は、その役割を4種類で表す代表的な形です。

RASIC と RACI はどちらを使えばよいですか?

まずは RACI で十分です。作業を手伝う人を実行責任者と分けて示したいときに、支援(S)を足した RASIC を使います。

出典・参考

  1. [1]PMI: PMP Examination Content Outline(2026年7月版, PDF)

本番と同じペースで腕試し

記事の次は、本番形式の問題で。

3つの領域(People/Process/Business Environment)の出題比率どおりに組んだ無料模試を、登録不要・カード不要で解けます。続きの本番形式模試とタスク別ドリルは買い切りで、月額はかかりません。

PMP試験(Project Management Professional)

180問・240分の本番形式模試とタスク別ドリル・¥9,800(税込・買い切り)

PMPの無料模試30問
料金と収録内容を見る →

当サイトは Project Management Institute, Inc.(PMI)とは関係のない個人が運営する非公式の学習教材です。PMI、PMP、PMBOK は PMI の登録商標です。掲載している問題はすべて当サイトのオリジナルで、実際の試験問題・過去問題・再現問題ではありません。受験資格・受験料・出題範囲は PMI の公式サイト(https://www.pmi.org/certifications/project-management-pmp )で必ず確認してください。合格を保証するものではありません。合格の目安・領域別の評価は当サイトの推定です。

← 対策記事の一覧へ