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スプリントレビューとは?進め方とアジェンダ例、デモ会との違い

スプリントレビューの目的、参加者と進め方、60分のアジェンダ例、関係者のフィードバックをプロダクトバックログに反映する方法、デモ会との違い、よくある失敗を解説します。PMP試験の確認問題3問つき。

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執筆
プロマネ模試 編集部
まず結論

この記事の要点

  • スプリントレビューは、スプリントの成果を主要な関係者と一緒に検査し、次に何をするかを決めるイベントです。スプリントの最後から2番目に行います。
  • 完成品を見せる発表会ではなく、関係者と話し合う作業の場です。結果として、プロダクトバックログが見直されることがあります。
  • 見せるのは、完了の定義(DoD)を満たしたものだけです。未完成の作業は見せず、バックログに戻します。
  • PMP試験では、関係者のフィードバックの扱い方(その場で作業を約束しない・バックログに入れて並べ直す)が典型的な論点です。

スプリントレビューの目的は?

スプリントレビューの目的は、スプリントの成果を検査し、今後どう適応するかを決めることです。スクラムガイド(2020年版)では、スクラムチームが主要な関係者に作業の結果を示す場とされています。プロダクトゴールへの進み具合も話し合います。

スプリントレビューは、スプリントのイベントの中で最後から2番目に行います。この後にスプリントレトロスペクティブがあり、スプリントが終わります。時間の上限は、1か月のスプリントで4時間です。

スプリントの中の毎日の検査はデイリースクラムが担います。スプリント全体の成果を関係者と検査するのが、このレビューです。

大事なのは「次を決める」ことです。できたものを見せて拍手で終わるのではなく、「次に何を作るのが一番価値があるか」を関係者と一緒に考えます。

スプリントレビューの流れ(例)
  1. 1

    ゴールと結果を共有

    スプリントゴールと、完了したもの・しなかったものを説明する

  2. 2

    インクリメントを触ってもらう

    関係者に実際に操作してもらい、反応を見る

  3. 3

    環境の変化を共有

    市場・利用状況・予算・期限など、前回からの変化を話す

  4. 4

    次に何をするか話し合う

    プロダクトバックログを見ながら、次の候補を話し合う

  5. 5

    バックログを見直す

    プロダクトオーナーが並び順や中身を調整する

進め方の例は当サイトの整理です。スクラムガイドは手順を細かく定めていません。

誰が参加し、どう進める?

参加者役割
プロダクトオーナープロダクトゴールへの進み具合を説明し、フィードバックをバックログに反映する
開発者作ったものを見せ、関係者の質問に答える。技術的な気づきを共有する
スクラムマスターイベントが目的どおりに時間内に行われるよう支える
主要な関係者顧客・利用者・スポンサー・関係部署など。実際に触り、意見を出す

関係者が出席しないと、スプリントレビューは単なる社内の確認になってしまいます。プロダクトオーナーとスクラムマスターは、本当に意見をくれる人(実際の利用者や判断する人)に来てもらう工夫をします。

意識したいのは、関係者が「見る」だけでなく「触る」ことです。スライドの説明より、実際の画面を操作してもらう方が本音の反応が出ます。

アジェンダの例は?(60分の場合)

2週間のスプリントで、60分のレビューを開く場合の例です。2週間のときの上限の目安は、1か月の4時間を比例させた2時間です。

当サイトの例(5+20+10+20+5=60分)。
時間やること主に話す人
5分スプリントゴールと、完了したもの・しなかったものを説明するプロダクトオーナー
20分完成したインクリメントを、関係者に実際に触ってもらう開発者・関係者
10分市場・利用状況・予算・期限など、前回からの変化を共有するプロダクトオーナー・関係者
20分プロダクトバックログを見ながら、次に何をするか話し合う全員
5分決まったことと、次のスプリントにつなぐ内容を確かめるプロダクトオーナー

準備では、本当に意見をくれる関係者を招き、ゴールと議題を前もって伝えます。触ってもらう環境も、事前に動作を確かめておきます。

フィードバックはどうバックログに反映する?

スプリントレビューで出た意見は、その場で開発者が「やります」と引き受けるものではありません。プロダクトバックログに入れて、プロダクトオーナーが並べ直します。流れは次のとおりです。

  1. 意見を記録する: 誰の、どんな意見かを書き留めます。その場で良し悪しを決めつけません。
  2. 背景を聞く: 「なぜそう思うか」「どんな場面で困るか」を聞き、本当の要求を探ります。
  3. バックログに入れる: 新しいアイテムとして入れるか、既存のアイテムを書き直します。
  4. 並べ直す: 価値・リスク・依存関係を見て、プロダクトオーナーが並び順を決めます。
  5. 次のプランニングにつなぐ: 上位に来たアイテムは、次のスプリントプランニングの候補になります。

関係者の声を早く取り込めば、最後にまとめて納品して「思っていたものと違う」となる危険を減らせます。新ECO(2026年版)の Process のタスク3は「価値に基づく提供」です。価値と関係者のフィードバックに基づく優先順位付けも、ここに含まれます。顧客の期待や満足の扱いは、顧客満足の管理でも扱います。

デモ会とはどう違う?

スプリントレビューは「デモ」と呼ばれることがあります。しかしスクラムガイドは、レビューを発表だけに限らないよう注意しています。違いを並べると次のとおりです。

デモ会とスプリントレビュー

ただのデモ会

  • 形チームが一方的に見せる
  • 見せるものうまく動く部分だけ見せる
  • 終わり方拍手と感想で終わる
  • 結果計画は変わらない

スプリントレビュー

  • 形関係者と話し合う作業の場
  • 見せるもの完了しなかったものや問題も共有する
  • 終わり方次に何をするかを決める
  • 結果プロダクトバックログが見直される

もう1つの大きな違いは、見せるものの条件です。スプリントレビューで見せるのは、完了の定義(DoD)を満たしたインクリメントだけです。「ほぼ終わった」ものを見せると、関係者は完成したと誤解し、透明性が失われます。

よくある失敗と、試験で正解になる行動は?

スプリントレビューでよくある失敗は、PMP の状況問題の題材にもなります。当サイトで整理すると次のとおりです。

当サイトによる整理。
よくある失敗・場面正解になりやすい行動
関係者が新しい機能を求め、開発者がその場で約束しそうになるその場で約束せず、プロダクトオーナーがバックログに入れて並べ直す
未完成の機能を見せたいと開発者が言う完了の定義を満たしたものだけを見せ、状況は正直に伝える
関係者が出席しない理由を聞き、出席の価値を説明して日程や形式を見直す
発表だけで終わる(一方的な報告会)話し合いの時間を設け、次の行動を決める場に戻す
時間を大きく超える議題と時間配分を決め、細かい議論は別の場に移す
レビューで品質の問題が見つかった原因はレトロスペクティブでチームと話し合う

最後の行のように、レビューは「プロダクト」を、レトロスペクティブは「進め方」を検査する場です。違いはレトロスペクティブ(ふりかえり)の進め方で確認してください。

確認問題1

レビューで顧客が新機能を求める

(当サイトの独自問題)スプリントレビューで、顧客の代表が完成した検索画面を触りました。「絞り込みの条件をあと3つ追加してほしい。来週には使いたい」と言っています。開発者の一人は「すぐ対応します」と答えそうになっています。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:3。レビューで出た要望は、背景を聞いて記録し、プロダクトオーナーがプロダクトバックログに入れて並べ直します。「来週使いたい」という事情も、並び順を決める材料になります。

1:何を次に作るかは、プロダクトオーナーが決めます。2:フィードバックを得るための場で要望を拒むのは、目的に反します。4:アジャイルの場面で、いきなり正式な変更管理にかける必要はありません。

確認問題2

未完成の機能を見せたい

(当サイトの独自問題)スプリントの終わりに、決済機能のテストが半分しか終わっていません。開発者は「画面は動くので、レビューで見せて関係者を安心させたい」と言っています。完了の定義には、すべての自動テストの合格が含まれています。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:1。レビューで見せるのは、完了の定義を満たしたインクリメントだけです。未完了の作業はプロダクトバックログに戻し、状況は正直に共有します。

2:未完成と断っても、完了の定義(すべての自動テストの合格)を満たさないものはレビューで提示しません。テストが半分残った画面を見せると、関係者が進み具合を正しく判断できなくなります。3:スプリントの長さを場当たりで延ばすのは誤りです。4:都合で品質の基準を下げると、技術的負債がたまります。

確認問題3

関係者がレビューに来ない

(当サイトの独自問題)スプリントレビューを3回続けて開いていますが、利用部門の担当者が誰も出席していません。チームは毎回、自分たちだけで成果を確認しています。リリースは2か月後の予定です。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:4。関係者のフィードバックは、レビューの中心です。出席しない理由を聞き、価値を説明し、日程や形式(短時間・オンラインなど)を一緒に調整します。

1:手戻りの危険を、リリースまで先送りにします。2:資料だけでは触ったときの反応が得られず、沈黙を了承とみなすのも危険です。3:本物の利用者の意見の代わりにはなりません。

関係者の関わり方が問われる問題は、無料模試30問にも入っています。

よくある質問

スプリントレビューとスプリントレトロスペクティブの違いは?

レビューは、関係者と一緒に「プロダクト(成果)」を検査し、次に何を作るかを決めます。レトロスペクティブは、スクラムチームが「進め方」を検査し、改善を決めます。

スプリントレビューの時間はどれくらいですか?

1か月のスプリントで最大4時間です。スプリントが短い場合は、通常それより短くなります。

スプリントレビューで成果の受け入れ(承認)を行いますか?

スクラムガイドは、レビューを承認の場とは定めていません。完了かどうかは完了の定義で判断し、レビューでは関係者と成果を検査して次の行動を決めます。組織として正式な受け入れが必要な場合は、別に取り決めます。

出典・参考

  1. [1]Scrum Guides: The 2020 Scrum Guide
  2. [2]スクラムガイド 2020年版(日本語PDF)
  3. [3]PMI: PMP Examination Content Outline – July 2026(PDF)

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