模試の正答率は何%なら合格圏?
結論から言うと、当サイトの模試では全体の正答率70%を合格圏の目安にしています。公式の基準ではなく、当サイトの問題の難しさを踏まえた目安です。
前提として、PMI は PMP の合格点を公表していません。ハンドブックによると、PMI の試験は、その職務にふさわしい水準を満たしたかで合否を決める方式です。基準は心理測定の分析にもとづいて決められます。180問のうち10問は採点されない試行問題で、採点されるのは170問です。
ネットでよく見る「60%前後で合格」「8割取れば安全圏」といった数字も、PMI が公表したものではありません。模試の提供元や受験者の経験則です。合格点が決まる仕組みはPMPの合格ラインは何%?で詳しく説明しています。
模試で何問正解すれば何%になるかは、次の表のとおりです。
| 正答率 | 180問の模試での正解数 | 30問の模試での正解数 |
|---|---|---|
| 60% | 108問 | 18問 |
| 65% | 117問 | 約20問 |
| 70% | 126問 | 21問 |
| 75% | 135問 | 約23問 |
| 80% | 144問 | 24問 |
模試の点は本番の何を教えてくれる?
公式の換算がなくても、模試の正答率には意味があります。同じ模試を使い続ければ、実力が上がっているかと、どの領域・タスクが弱いかは確実に分かります。模試の点は、合否の予言ではなく、残りの勉強の向きを決める材料です。
本番の結果レポートも、点数ではなく段階で示されます。全体と3領域それぞれが、Above Target・Target・Below Target・Needs Improvement の4段階です(PMI の結果レポートの見本より)。何問正解でどの段階になるかも公表されていません。
POINT
領域ごとに結果を見る習慣を、模試の段階から付けておきます。本番の結果レポートも読みやすくなります。
模試ごとに難しさはどれくらい違う?
模試の難しさは、提供元によってかなり違います。知識を問うか状況判断を問うか、新しい形式(ケーススタディ・図表・複数選択)がどれだけあるか。アジャイルとハイブリッドの割合も違います。同じ人が解いても、点数は変わります。
特に、旧版(2021年版)の ECO に合わせた模試には注意します。Business Environment の割合が、旧版は8%、新版は26%と大きく違うからです。旧版の模試で高い点でも、新試験の配分では点が下がることがあります。
比べるときは、同じ提供元の模試の中での変化を見るのが基本です。A社の模試で65%、B社の模試で75%でも、実力が10ポイント違うとは言えません。
問題数にも注意します。30問の模試では1問で約3ポイント、180問の模試では1問で約0.6ポイント動きます。短い模試の点は誤差が大きいので、合格圏かどうかは180問の本番形式の結果で判断してください。短い模試は、勉強の始めに弱い領域を見つける用途に向いています。無料で解ける模試の種類はPMPの無料模試まとめで整理しています。
領域別に見ると何が分かる?
全体の正答率は、領域の出題比率で重み付けされます。新しい ECO の比率は People 33%・Process 41%・Business Environment 26% です。この比率で計算すると、Business Environment が低いだけで、全体が目安に届かなくなります。
全体の正答率 ≒ People×0.33 + Process×0.41 + Business×0.26
- 1例:People 75%、Process 70%、Business 55%
- 275×0.33 = 24.75、70×0.41 = 28.7、55×0.26 = 14.3
- 324.75 + 28.7 + 14.3 = 67.75 → 全体 約68%
- 4Business を 70% に上げると 70×0.26 = 18.2
- 524.75 + 28.7 + 18.2 = 71.65 → 全体 約72%
Business を15ポイント上げると、全体が約4ポイント上がり、目安の70%を超える
旧版の感覚で Business Environment を後回しにすると、People と Process がそこそこでも全体が伸びません。逆に言えば、低い領域を上げるのが、一番効率よく全体を上げる方法です。
正答率ごとに次は何をすればいい?
当サイトの模試を解いたあとの、正答率ごとの次の一手です。どの段階でも、誤答がどのタスクに集まっているかを合わせて見てください。
| 当サイトの模試の正答率 | 状態の目安 | 次にやること |
|---|---|---|
| 60%未満 | 基礎の判断の型がまだ定まっていない | タスク別の演習に戻り、誤答の多い領域から解き直す |
| 60〜70% | あと一歩。特定のタスクに誤答が集中していることが多い | 誤答をタスク別に数え、上位3〜5タスクを集中して補強 |
| 70%以上 | 当サイトの合格の目安 | 領域の差を確認し、低い領域を底上げ。本番の時間配分を固める |
60〜70%で止まる人は、誤答が特定のタスクに集中していることがよくあります。全体を薄く復習するより、上位のタスクを集中して解き直すほうが、短い期間で点が上がります。
正答率が伸び悩むときの原因は?
演習を重ねても60%台で止まる人は多くいます。原因はたいてい次のどれかです。
- 判断のずれ:知識はあるが、「次に何をするか」の順番を誤る。状況を確かめる前に解決策を実行する、チームに任せる場面でプロジェクト・マネジャーが決めてしまう、など。
- アジャイルの考え方が入っていない:予測型の手順で考え、アジャイルやハイブリッドの状況で外す。新試験では問題の約6割がアジャイルとハイブリッドです。
- 読み違い:誰が困っているか、何がすでに行われたか、何が制約か、を読み落とす。日本語訳で迷ったまま答えている場合も含む。
- 時間切れ・集中切れ:後半の正答率が前半より大きく低い。ケーススタディに時間を使いすぎている。
どれに当たるかは、模試の誤答を1問ずつ分類すると分かります。原因ごとの立て直し方はPMPに受かる気がしない時の原因と対策で詳しく説明しています。
前半と後半の正答率の差で何が分かる?
180問の模試では、全体の正答率に加えて、前半90問と後半90問の正答率を分けて計算してみてください。知識の問題か、時間や集中力の問題かを見分ける手がかりになります。
たとえば前半90問で68問正解(約76%)、後半90問で55問正解(約61%)だったとします。全体は123問÷180問で約68%です。後半の15ポイントの落ち込みがなければ、目安の70%を超えていました。この場合は、知識を足すより、時間配分と集中の保ち方を直すほうが点につながります。
| 前半と後半の差 | 考えられる原因 | 次にやること |
|---|---|---|
| ほとんど差がない | 知識や判断の型に原因がある | 誤答をタスク別に数え、上位のタスクを解き直す |
| 後半が10ポイント以上低い | 時間切れ・集中切れ | 経過時間の目安を決め、迷った問題は印を付けて先に進む練習 |
| 前半が低い | ケーススタディで時間と気力を使っている | 長い状況文の要点を先にまとめる練習 |
残り2週間で正答率を上げるには?
残り2週間で、新しい教材や参考書に手を出すのはおすすめしません。点が伸びる余地は、すでに解いた問題の中に残っています。
- 直近2回の模試の誤答と迷った問題を、26タスクに分けて数える
- 数が多い上位3〜5タスクを選ぶ(ここに誤答の半分近くが集まることが多い)
- 選んだタスクの問題をタスク別ドリルや問題集でまとめて解き、選択肢ごとの理由を言えるまで確かめる
- 1週間前までに最後の模試を本番どおり解き、時間配分を確定する
- 最後の数日は、誤答ノートの見直しと、睡眠・当日の準備に使う
参考書を読み直すのは、知識不足が原因の誤答に限ります。判断のずれや読み違いは、読んでも直りません。問題を解いて、自分の選んだ理由と解説の理由を比べることでしか直らないからです。模試の使い方全体はPMP模擬試験の選び方と使い方にまとめています。