PMP試験 2026年新形式 対応プロマネ模試
PMP STUDY GUIDEPeople(人)の論点PMP

コミュニケーション計画の作り方|書く項目・記入例とPMPでの問われ方

コミュニケーション計画の作り方を5つの手順と記入例で解説。書く項目、プッシュ型・プル型・対話型の使い分け、スポンサー報告とガバナンスまで、PMP新ECOのPeopleタスク8に沿って確認問題3問で確かめます。

最終更新
読了目安
約11分
執筆
プロマネ模試 編集部
まず結論

この記事の要点

  • コミュニケーション計画は、プロジェクトの情報を「誰に・何を・いつ・どうやって・誰が」伝えるかを、相手ごとに決めた計画です。
  • 作り方は5つの手順です。目的を決める、相手を洗い出す、相手の必要な情報を聞く、方法・頻度・担当を決める、合意して公開し見直す。
  • 伝え方はプッシュ型・プル型・対話型の3つです。誤解の許されない話や対立は、対話型が基本です。
  • 新ECO の People タスク8は、報告の要件やガバナンスへの対応まで含みます。悪い知らせは、組織の決まりに沿ってすぐ伝えます。

コミュニケーション計画とは?何を決める?

コミュニケーション計画は、プロジェクトの情報を誰に、何を、いつ、どうやって、誰が伝えるかを決めたものです。PMP の教材では「コミュニケーション・マネジメント計画書」とも呼ばれます。

スポンサー、運営委員会(ステアリング・コミッティ)、チーム、利用部門など、相手ごとに決めます。決める項目は主に次のとおりです。

  • 相手と目的: 誰に、何のために伝えるか(判断を仰ぐ、協力を得る、周知する)。
  • 内容と細かさ: 何を、どの程度の詳しさで伝えるか。
  • 頻度と時期: 毎日、隔週、節目ごとなど。
  • 方法: 会議、報告書、共有ページなど。後で述べる3つの型から選ぶ。
  • 担当: 誰が作り、誰が承認して出すか。
  • 決まり: 返信の目安、悪い知らせの上げ方(エスカレーションの経路)、機密情報の扱い。
  • 見直し方: いつ、誰が計画を更新するか。
コミュニケーション計画の記入例(架空の社内システム刷新)
相手目的と内容頻度方法担当
スポンサー全体の状況、主なリスク、判断が必要な事項隔週対面の報告会+1枚の要約PM
運営委員会マイルストーンの達成、予算の状況、変更の承認月1回定例会議(資料は3日前に配布)PM
チーム作業の進み具合、障害、当日の予定毎日15分の朝会+タスクボードチーム全員
利用部門リリースの予定、操作の変更点リリースごと説明会+共有ページ業務担当のリーダー
関係者全般プロジェクトの概要と最新の状況随時更新共有ページPM

運営委員会は、経営層などが集まってプロジェクトの大きな判断をする場です。記入例のように、相手ごとに目的・頻度・方法を変えるのが要点です。

コミュニケーション計画の作り方は?5つの手順

計画は、PM が机の上だけで作るものではありません。相手に聞きながら作ります。次の5つの手順で進めます。

コミュニケーション計画を作る5つの手順(当サイトの整理)
  1. 1

    目的を決める

    何のために伝えるのか(判断・協力・周知)をはっきりさせる

  2. 2

    相手を洗い出す

    ステークホルダー分析の結果から、相手と影響力・関心を一覧にする

  3. 3

    必要な情報を聞く

    何を、どの細かさで、いつまでに知りたいか。好む方法も聞く

  4. 4

    方法・頻度・担当を決める

    3つの型から方法を選び、送り手と承認者を決める

  5. 5

    合意して公開し、見直す

    主要な相手と確かめて共有する。関係者や段階が変わったら更新する

よくある失敗は、全員に同じ報告書を送ること。相手ごとに必要な情報は違う。

手順2では、ステークホルダー分析の結果をそのまま使えます。権力も関心も高い相手には対話の場を厚くし、関心の低い相手には要点だけを届けます。

手順3では、相手に直接聞くことが大切です。PM が十分だと思った報告が、相手には役に立たないことはよくあります。

関係者が増えると、伝える経路はどれだけ増える?

計画を作るときは、人数による経路の増え方も意識します。やりとりの経路(コミュニケーションチャネル)は、人数が増えると急に増えます。

経路が増えるほど、伝達の漏れや行き違いが起きやすくなります。窓口を決める、共有ページに情報を集める、といった工夫が要ります。計算の仕方はコミュニケーションチャネルの記事で詳しく解説しています。

コミュニケーションチャネルの数

チャネル数 = n ×(n − 1)÷ 2 (n は人数)

  1. 110人のとき:10 × 9 ÷ 2 = 45
  2. 22人増えて12人のとき:12 × 11 ÷ 2 = 66
  3. 3増えた数:66 − 45 = 21

2人増えるだけで、経路は21本増える

プッシュ型・プル型・対話型はどう使い分ける?

伝え方は、大きく3つに分けられます。

伝え方の3つの型(当サイトの整理)

プッシュ型

  • 仕組み送り手が相手に送り届ける
  • 例メール、報告書、通知
  • 特徴相手が読んだか・理解したかは分からない
  • 向いている場面決まった報告、多くの人への周知

プル型

  • 仕組み情報を置き、相手が見に行く
  • 例共有ページ、リポジトリ、掲示
  • 特徴多くの情報を、必要な人が必要なときに見られる
  • 向いている場面大量の情報、参照用の資料

対話型

  • 仕組みその場で双方向にやりとりする
  • 例会議、電話、ビデオ会議
  • 特徴理解を確かめ、すぐに質問に答えられる
  • 向いている場面誤解が許されない話、対立、重要な決定

重要なこと・感情が絡むことは対話型。周知はプッシュ型、参照はプル型。

試験でよく問われるのは、「メールを送ったのに伝わっていなかった」場面です。プッシュ型は、送ったことしか保証しません。誤解が許されない内容や、相手の反応を確かめたい内容は、対話型で伝えるか、対話型で補います。

予測型とアジャイルで計画はどう違う?

進め方によって、計画の重さと場の作り方が変わります。

予測型とアジャイルのコミュニケーションの違い(当サイトの整理)
観点予測型アジャイル
計画の作り方最初に計画書としてまとめ、変更は手続きで直す最低限を決めて始め、ふりかえりで直し続ける
日々の共有週次の進捗会議、課題の一覧デイリースクラム、タスクボード
状況の見せ方報告書、ダッシュボード情報ラジエーター(バーンダウンチャートなどを見える場所に掲示)
関係者への報告運営委員会への定例報告、マイルストーンごとのレビュースプリントレビューで、動く成果を見せる

ハイブリッドでは両方を組み合わせます。たとえばチームの中はデイリースクラムとタスクボードで回し、経営層には月1回の報告で伝える、という形です。

透明性とフィードバックの仕組みはどう作る?

ECO は「透明性と協働を促す」「フィードバックの仕組みを作る」ことを挙げています。透明性とは、良い知らせも悪い知らせも隠さず、必要な人が必要な情報を見られる状態です。

透明性を高める方法は、作業の状況をボードで見える化する、決定事項と理由を公開する、リスクを早く共有する、などです。

フィードバックの仕組みは、伝えたことが伝わったか、相手がどう受け止めたかを受け取る流れです。たとえば次のようなものです。

  • 会議の最後に、決まったことを参加者に言い直してもらう。
  • 報告書に、質問や意見を受け付ける窓口を書いておく。
  • 定期的に、報告の内容や頻度が役に立っているかを関係者に聞く。
  • アジャイルではスプリントレビューとふりかえりが、成果と進め方へのフィードバックの場になる。

受け取った声をもとに、計画そのものも見直します。コミュニケーション計画は、作って終わりではありません。関係者や状況の変化に合わせて更新します。

記録して公開した決定や学びは、後から加わる人への引き継ぎにも使えます。知識の残し方はナレッジトランスファーの記事で解説しています。

スポンサー向けの報告とガバナンスはどうする?

報告は、相手が判断するための材料です。相手ごとに求めるものが違います。

  • スポンサー・経営層: 全体の状況(計画との差)、主なリスク、判断や支援が必要な事項。短く、結論から。
  • 運営委員会など統制の場: 決められた形式と時期での報告。変更や予算の承認に必要な情報。
  • チーム: 作業に必要な詳しい情報。

組織には、どの規模の変更を誰が承認するか、何を誰に報告するか、といったガバナンス(意思決定と管理の仕組み)の決まりがあります。PM はその決まりに沿って情報を出します。

悪い知らせは、①何が起きたか、②影響(日程・費用・品質)、③考えられる対策、④相手に頼みたい判断、の順でまとめると伝わりやすくなります。決まりを無視して非公式に話を通す行動や、悪い情報を定例まで抱える行動は、試験では誤りになりやすいです。

分散したチームでの伝え方はバーチャルチームの運営方法で解説しています。

PMP試験(新ECO)では何が問われる?

新しい試験内容の概要(ECO 2026)の People 領域タスク8は「コミュニケーションを計画しマネジメントする」です。英語では Plan and manage communication です。イネーブラー(仕事の例)は次の6つです(当サイトによる要約)。

ECO 2026 People タスク8のイネーブラーを当サイトが要約・整理
イネーブラー(要約)この記事での説明
コミュニケーションの戦略を決める誰に・何を・いつ・どうやって伝えるかを決める
透明性と協働を促す情報を隠さず共有し、一緒に考えられる場を作る
フィードバックの仕組みを作る伝えたことが伝わったか、相手の声を受け取る流れを作る
報告の要件を理解する組織や契約で求められる報告の内容と時期を確かめる
スポンサーや関係者の期待に合った報告を作る相手の判断に役立つ形にする
報告とガバナンスの手続きを支える決められた承認や報告の流れに沿って情報を出す

新版では、報告とガバナンスがはっきり書かれました。コミュニケーションは伝えるだけでなく、組織が正しく判断できるよう情報を届ける役割も持つ、ということです。

試験でよく出るのは、メールで送ったのに伝わっていない、スポンサーが報告を読まない、悪い知らせを次の定例まで待つか、といった場面です。下の確認問題で試せます。この種の判断はタスク別ドリルの People タスク8でも練習できます。

確認問題1

メールで伝えた変更が伝わっていなかった

(当サイトの独自問題)PM は、重要な仕様変更の内容を、関係する5つの部署にメールで送りました。2週間後、そのうち2つの部署が古い仕様のまま作業を進めていたと分かりました。2つの部署の担当者は「メールは見たが、自分たちに関係があるとは思わなかった」と話しています。今後同じことを防ぐために、プロジェクト・マネジャーが行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:3。メール(プッシュ型)は、送ったことしか保証しません。誤解が許されない重要な変更は対話型で伝え、相手が自分への影響を理解したかを確かめます。

1:件名を変えても、自分に関係があると理解されるとは限りません。2:伝え方の問題を、相手の責任にしています。4:共有ページ(プル型)は相手が見に行く必要があり、確実に伝わる保証はさらに弱くなります。

確認問題2

スポンサーが報告を読んでいない

(当サイトの独自問題)PM は毎週、20ページの詳しい進捗報告書をスポンサーに送っています。ところがスポンサーとの会議で、報告書に書いた重大なリスクについて「聞いていない」と言われました。スポンサーは忙しく、報告書を読む時間がないようです。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:4。報告は、相手の判断に役立つ形にする必要があります。スポンサーが何を求めているかを確かめ、要点と判断が必要な事項に絞った形に決め直します。重大なリスクは、報告書とは別に直接伝えることも考えます。

1:相手に合わない報告の形を変えず、相手に負担を求めています。2:量を増やすと、さらに読まれなくなります。3:報告をやめると、スポンサーが必要な情報を得られなくなります。

確認問題3

悪い知らせを次の定例まで待つか

(当サイトの独自問題)重要な部品の納入が3週間遅れると、供給元から連絡がありました。このままではマイルストーンに間に合わない見込みです。次の運営委員会は2週間後です。組織の決まりでは、マイルストーンに影響する問題は、判明した時点でスポンサーに報告することになっています。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:2。組織の決まり(ガバナンス)で、すぐの報告が求められています。影響と考えられる対策を整理し、すぐにスポンサーに報告します。供給元との交渉やチームでの検討は、報告と並行して進めます。

1:決まりに反して報告を遅らせ、スポンサーが判断する時間を奪います。3:交渉の結果を待つと、報告が遅れます。4:チームとの検討は必要ですが、結論を待つとスポンサーへの報告が遅れます。

よくある質問

コミュニケーション計画には何を書きますか?

相手と目的、内容と細かさ、頻度、方法、担当者が基本です。悪い知らせの上げ方や機密情報の扱い、計画の見直し方も決めておくと、運用で迷いません。

コミュニケーション計画はどうやって作りますか?

目的を決める、相手を洗い出す、相手の必要な情報を聞く、方法・頻度・担当を決める、合意して公開し見直す、の5つの手順で作ります。PM だけで決めず、相手に聞きながら作るのがこつです。

プッシュ型・プル型・対話型はどう違いますか?

プッシュ型は、メールや報告書で送り届ける方法です。プル型は共有ページなどに置き、相手に見てもらいます。対話型は、会議や電話でその場でやりとりする方法です。誤解が許されない内容や対立には、対話型が向いています。

悪い知らせはいつ報告すべきですか?

原則として、分かった時点で早く報告します。組織のガバナンスの決まりがあれば、それに従います。影響と考えられる対策を整理して伝えると、スポンサーが判断しやすくなります。

出典・参考

  1. [1]PMI: PMP Examination Content Outline – July 2026(PDF)
  2. [2]PMI: Project Management Professional (PMP)
  3. [3]The Scrum Guide(デイリースクラム・スプリントレビュー)

本番と同じペースで腕試し

記事の次は、本番形式の問題で。

3つの領域(People/Process/Business Environment)の出題比率どおりに組んだ無料模試を、登録不要・カード不要で解けます。続きの本番形式模試とタスク別ドリルは買い切りで、月額はかかりません。

PMP試験(Project Management Professional)

180問・240分の本番形式模試とタスク別ドリル・¥9,800(税込・買い切り)

PMPの無料模試30問
料金と収録内容を見る →

当サイトは Project Management Institute, Inc.(PMI)とは関係のない個人が運営する非公式の学習教材です。PMI、PMP、PMBOK は PMI の登録商標です。掲載している問題はすべて当サイトのオリジナルで、実際の試験問題・過去問題・再現問題ではありません。受験資格・受験料・出題範囲は PMI の公式サイト(https://www.pmi.org/certifications/project-management-pmp )で必ず確認してください。合格を保証するものではありません。合格の目安・領域別の評価は当サイトの推定です。

← 対策記事の一覧へ