PMPの教材に英語のものが多いのはなぜ?
PMP を運営する PMI は、米国に本部を置く団体です。PMP は世界中で受験されており、PMI の公式の資料や教材は英語で作られたものが基本です。
たとえば PMI の演習サービス PMI Study Hall は、英語で開発されたものです。商品ページでは、ほかの言語では Chrome の Google 翻訳の拡張機能で使う、と案内されています。
英語で受験する人が多いので、市販の問題集や動画講座も英語のものが先に出ます。2026年7月9日からの新しい ECO(2026年版)に合わせた教材も、英語のほうが早くそろう傾向があります。
一方で、PMP の試験そのものは日本語を含む複数の言語で受けられます。PMI の公式ストアには、35時間研修に使えるオンデマンド研修や、本番形式の Practice Exam の日本語版の商品ページもあります。
英語で勉強するメリットは?
英語で勉強するメリットは、主に3つあります。
- 教材の選択肢が多い:問題集、模試、動画講座の数が多く、新試験に合わせた改訂も早い傾向がある。
- 訳のずれがない:日本語訳で生じる言い回しの揺れがなく、問題の意図をそのまま読める。
- 本番の英語表示を使いこなせる:日本語で受験しても、迷った問題で英語の原文を確かめる判断が速くなる。
3つ目は、日本語で受験する人にも関係します。PMP の問題は、選択肢の小さな言い回しの違いで正誤が分かれるからです。日本語訳が分かりにくいとき、英語の原文を読めば意味がはっきりすることがあります。
英語の教材を選ぶときも、日本語の教材と同じく、2026年版の ECO(July 2026)に対応していると明記されているかを確かめます。
英語が得意な人は、英語だけで受験する選択肢もあります。訳の揺れを気にせずに済む反面、長い状況文やケーススタディを英語で読み切る速さが要ります。
受験の言語は、予約のときに選びます。ハンドブック(2026年6月改訂)によると、PMI は予約済みの試験の言語を変更できません。英語だけで予約したあとで別の言語が必要になったら、予約を取り消してから PMI に依頼します。試験日の30日前を過ぎた取り消しには手数料もかかるので、言語は予約の前に決めておきます。
英語が苦手な人にはどんな負担がある?
負担は、読む時間と理解の正確さです。180問を240分で解く本番では、1問あたり約80秒です(ECO 2026年版。10分の休憩2回は240分とは別)。英語の状況文を読むのに日本語の1.5〜2倍かかる人が英語の模試で練習すると、本番の時間感覚とずれます。
機械翻訳で読む場合は、翻訳の誤りにも注意が必要です。「最初に」「最も適切な」「次に」のような問いの言葉や、否定の表現が訳で崩れると、正しく判断していても誤答になります。間違えた理由が判断のずれか翻訳の問題かを区別できないと、復習の効果も下がります。
英語が苦手な人が英語の教材を中心にすると、勉強時間が大きく増えます。英語の教材を使う場合も含めた試算はPMPの勉強時間の目安で紹介しています。
英語で受験するか、英語の教材を中心にするかは、自分の速さを測って決めるのが確かです。たとえば同じ20問を、日本語で25分、英語で40分で解けたとします。英語は日本語の1.6倍かかり、1問あたり120秒です。本番のペース(約80秒)を大きく超えるので、この人は日本語で受験し、英語は原文の確認に使うほうが安全です。
正答率も合わせて比べます。英語のほうが高いなら、日本語訳で読み違えている可能性を疑います。
日本語中心
- 読む速さ速く読める
- 問題の意図訳の揺れがある
- 教材の数やや少ない
- 併用のしかた英語は用語と原文の確認に絞る
英語中心
- 読む速さ時間がかかる
- 問題の意図原文どおり
- 教材の数多い
- 併用のしかた日本語の解説で理解を確かめる
当サイトの整理
日英対訳で用語を覚えるには?
英語が苦手な人でも、主な用語だけは日英の対で覚えることをすすめます。用語が分かれば、英語の原文をすべて読まなくても、問題の要点を拾えます。最初に覚えておきたい用語の例です。
| 英語 | 日本語(訳の例) | 問題で出てきたら考えること |
|---|---|---|
| stakeholder | ステークホルダー、利害関係者 | 誰の期待やニーズの話か |
| sponsor | スポンサー | 資金と権限を持つ人。承認や大きな判断の相手 |
| issue | 課題 | すでに起きている問題。リスク(risk)とは別 |
| impediment | 障害、妨げ | チームの作業を止めているもの。取り除く支援 |
| escalate | エスカレーションする | 権限を超える判断を、決められた経路で上げる |
| change request | 変更要求 | 変更の手続き(変更管理)を通す |
| backlog | バックログ | 優先順位を付けた作業の一覧。誰が並べるか |
| retrospective | 振り返り | チームが自分たちの進め方を改善する場 |
| governance | ガバナンス | 決定の権限・経路・基準の仕組み |
| compliance | コンプライアンス、法令などの順守 | 規制・安全・セキュリティなどの要求を満たす |
| lessons learned | 教訓 | 記録して次に生かす知識 |
| tailoring | テーラリング | 状況に合わせて進め方を調整する |
| assumption / constraint | 前提条件/制約条件 | 確かめていない前提か、動かせない条件か |
| deliverable | 成果物 | 何を作り、誰が受け入れるか |
| servant leadership | サーバント・リーダーシップ | 指示より、チームを支えて障害を取り除く |
| root cause | 根本原因 | 症状への対処の前に原因を分析する |
覚えるときは、英語と日本語を1対1で覚えるより、右の列の「その言葉が出てきたら何を考えるか」まで一緒に覚えるのがコツです。issue と risk、escalate と resolve のように、試験で区別が大切な言葉は対にして覚えます。
問題を解きながら覚えるなら、日本語と英語を切り替えられる問題が便利です。日本語で解いて、間違えた問題や迷った問題だけ英語に切り替え、キーワードを確かめます。当サイトのタスク別ドリルは、1問ずつ日本語と英語を切り替えられます。
本番の英語表示を使いこなすには?
ハンドブックによると、日本語などの翻訳版で受験する場合、コンピューターで受ける試験には、問題ごとに英語の原文を表示するボタンがあります。紙の試験では、問題冊子に英語も載っています。この機能を本番で使いこなすための準備は、次の3つです。
- 使う場面を決めておく:すべての問題で英語を見ると時間が足りない。日本語訳で2つの選択肢に迷ったときだけ見る、と決める。
- 見る場所を決めておく:英語では、問いの部分(first, next, best, most likely など)と、迷っている2つの選択肢だけを読む。
- 練習で時間を測る:英語を確かめるのにかかる時間を、演習の段階から測っておく。1問あたり20〜30秒で確かめられると、本番でも使いやすい。
英語を見るかどうか迷う時間そのものがむだになるので、ルールを決めておくことが大切です。日本語訳のくせと英語併記の使い方はPMP試験は日本語で受けられるで詳しく説明しています。
PMI の公式の練習問題を使うかどうかは、PMPの過去問は公開されていないで整理しています。忙しい人の勉強の進め方はPMPを働きながら取る勉強法をどうぞ。