合格体験記に共通する勉強は?
最初にお断りしておくと、この記事は特定の体験記を集めて数えた調査ではありません。運営者自身の受験体験でもありません。公開されている合格体験記に書かれやすい内容を、当サイトが新試験の観点から整理したものです。件数や割合は示していません。
体験記によく書かれる「やってよかったこと」は、次の5つにまとまります。新試験でも、そのまま役立つものが多くあります。
- 本番と同じ時間で模試を通して解いた:4時間の集中力と時間配分は、通しで解かないと分からない。
- 間違えた問題の理由を確かめた:正解の理由だけでなく、ほかの選択肢がなぜ違うかまで確かめた。
- PMP 特有の考え方を整理した:まず状況を確かめる、チームに任せる、決められた手順を通す、といった判断の型を一覧にした。
- アジャイルを重点的に学んだ:ウォーターフォールの経験しかない人ほど、スクラムの役割と考え方を早めに学んだことを挙げる。
- 日本語訳で迷ったら英語を見た:日本語で受験しても問題ごとに英語の原文を表示できるので、その使い方を決めておいた。
2つ目の復習のやり方は、PMPの間違えた問題の復習法で、具体的なノートの書き方を説明しています。
体験記を読むときに何に注意する?
一番大切なのは、その人がいつ受験したかです。PMP の試験内容は、PMI の試験内容の概要(ECO)が改訂されるたびに変わります。2026年7月9日からは、新しい ECO(2026年版)にもとづく試験になりました。
旧試験(2021年版 ECO)
- 領域の比率People 42%・Process 50%・Business 8%
- タスク数35
- 新しい形式なし
- 問題数・時間180問
新試験(2026年版 ECO)
- 領域の比率People 33%・Process 41%・Business 26%
- タスク数26
- 新しい形式ケーススタディ・図表問題が加わった
- 問題数・時間180問・240分(別に休憩10分×2)
出典:PMI『PMP Examination Content Outline – 2026』と PMI の新試験の案内ページ
2026年10月の時点では、新試験の体験記はまだ多くありません。インターネット上の体験記の多くは旧試験のものです。勉強の進め方や復習の工夫は参考になります。ただし「Business Environment はほとんど出ないので後回し」「ケーススタディは対策不要」といった記述は、新試験には当てはまりません。
もう1つの注意は、体験記は合格した人の記録だということです。同じやり方で合格できなかった人の記録は残りにくいので、「この教材だけで合格」という話は割り引いて読みます。
体験記はどこを確かめながら読む?
自分に役立つ情報を拾うには、次の5点を確かめながら読みます。自分と条件が近い人の体験記ほど、参考になる部分が多くなります。
| 確かめること | なぜ大事か |
|---|---|
| 受験した日(2026年7月9日の前か後か) | 前なら旧試験。配分も形式も違う |
| 受験した言語(日本語か英語か) | 読む速さと、訳で迷う問題の量が違う |
| 実務経験(予測型だけか、アジャイルもあるか) | アジャイルの経験の有無で、勉強時間が大きく変わる |
| 使った教材の版(旧 ECO 向けか新 ECO 向けか) | 旧版の教材は、Business Environment と新しい形式が足りない |
| 勉強時間の数え方(研修を含むか) | 研修の35時間を含むかで、数字が大きく変わる |
合格者の勉強時間と期間はどのくらい?
体験記に書かれた勉強時間は、数十時間から数百時間まで幅があります。研修の35時間や通勤中の動画を含むかなど、数え方が人によって違います。実務経験やアジャイルの経験でも大きく変わるので、平均を出しても自分の目安にはなりません。PMI も、合格者の勉強時間を公表していません。
期間は、働きながら数か月で準備したという記述が目立ちます(件数を数えたものではありません)。当サイトは、2〜4か月で組むことをすすめています。長すぎると研修の内容を忘れ、短すぎると模試の復習が追いつかないからです。
自分の時間を見積もるなら、体験記の数字より、勉強の中身を積み上げる方法が確かです。研修・タスク別の演習・模試と復習・弱点の補強を積み上げると、当サイトの試算では研修を含めて約105〜175時間です。詳しくはPMPの勉強時間の目安で紹介しています。
合格者が使った教材にはどんな傾向がある?
体験記に出てくる教材は、役割で分けるとおおむね次の4つに整理できます。
| 役割 | 体験記によく出てくるもの | 新試験で選ぶときの確認点 |
|---|---|---|
| 35時間研修 | 研修会社の講座、PMI のオンデマンド研修、Udemy などの動画講座 | 新 ECO 対応か。2026年12月1日以降のライブ研修は ATP などに限られる |
| 知識の整理 | 参考書1冊、研修の資料 | Business Environment 26% と新しい論点を扱っているか |
| 問題演習 | 問題集、Web の問題集 | 26タスク対応か、選択肢ごとの解説があるか |
| 本番形式の模試 | Web の模試、PMI Study Hall など | 180問・240分、ケース・図表・複数選択を含むか |
35時間研修は申請の条件なので、合格者は何らかの研修を受けています(有効な CAPM を持つ人を除く)。そのうえで、体験記では「問題演習と模試に時間を使った」という記述が目立ちます。参考書を何冊も読み込んだという話は、あまり見かけません(当サイトの印象で、数えた結果ではありません)。
新試験の体験記が少ないうちは何を頼りにする?
新試験は2026年7月に始まったばかりで、新試験を受けた人の体験記はまだ限られています。体験記が少ないうちは、次の順に情報を頼りにすると、判断がぶれにくくなります。
- PMI の一次情報:ECO(2026年版)で、領域の比率、26のタスク、問題の形式、試験時間を確かめる。申請や研修の条件は、PMI の案内と認定資格ハンドブックで確かめる。
- 自分の模試の結果:領域別・タスク別の正答率と、前半と後半の差。他人の体験より、自分の弱点のほうが確かな材料になる。
- 新試験の体験記:受験日が2026年7月9日以降のもの。形式やケーススタディの感想は参考になるが、1人の感想として読む。
- 旧試験の体験記:勉強の進め方や復習の工夫だけを参考にする。配分や形式の話は読み替える。
SNS や掲示板で「今回は◯◯がたくさん出た」という話を見かけることがあります。しかし、本番の問題の内容を共有することは PMI の規約で禁じられており、話が正しいかも確かめられません。出題の範囲と比率は、こうした話ではなく ECO で判断してください。
体験記をそのまま真似しないほうがよい点は?
次のような記述は、新試験ではそのまま真似しないでください。
- 旧試験の配分に合わせた勉強:「Business Environment は8%なので後回し」は、26%になった新試験では大きな失点の原因になる。
- 旧版の教材だけで合格した話:2026年7月より前の教材は、新しい形式(ケーススタディ・図表)と Business Environment の演習が足りない。
- 「過去問」「再現問題」を使った話:PMI は試験問題を機密とし、受験者は試験後に問題を話し合わないことを規約で約束する。こうした問題は使わない。
- 極端に短い期間の話:経験や前提知識が違う人の短期合格の話は、自分の計画の基準にしない。
- PMBOK ガイドの通読:試験は PMBOK ガイドから出題されるわけではない。ECO のタスクを軸に、演習中心で進めるほうが効率的。
体験記は、「何をしたか」より「なぜそれが効いたか」を読み取るのが上手な使い方です。理由が新試験でも成り立つなら真似し、成り立たないなら自分の状況に合わせて変えます。
新試験の問題の雰囲気を自分で確かめたい人は、登録不要の無料模試30問を解いてみてください。ケーススタディと複数選択・マッチング・プルダウンを含み、日本語と英語を切り替えられます。どんな形式の問題が出るかはPMPの問題例で、勉強全体の順番はPMPの勉強方法で説明しています。