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PMP STUDY GUIDE計算問題(EVM・スケジュール)PMP

PDM(プレシデンスダイアグラム法)の4つの依存関係とリード・ラグ

PDM(プレシデンス・ダイアグラム法)の4つの依存関係(FS・SS・FF・SF)の見分け方、強制・任意・外部・内部の分類、リードとラグの計算を例題で解説。よくある誤りとPMP形式の確認問題3問つき。

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執筆
プロマネ模試 編集部
まず結論

この記事の要点

  • PDM は、作業を箱、順序を矢印で表すネットワーク図の書き方です。依存関係は FS・SS・FF・SF の4つで、最も多いのは FS(終了−開始)です。
  • 名前は「先行の◯◯ − 後続の◯◯」の順に読みます。後続の開始と終了のどちらが縛られるかを先に見ると、見分けやすくなります。
  • 依存関係は性質でも分かれます。強制(物理的・契約上)、任意(チームの判断)、外部(プロジェクト外)、内部(プロジェクト内)です。
  • リードは後続を前倒しする日数、ラグは後続を待たせる日数です。短縮のときに見直せるのは、主に任意の依存関係です。

PDMとは?

PDM は Precedence Diagramming Method の略で、プレシデンス・ダイアグラム法と呼びます。作業(アクティビティ)を箱(ノード)で書き、作業の順序を矢印でつなぐ方法です。作業が箱の上にあるので、AON(Activity on Node)とも呼ばれます。

PDM でつないだネットワーク図に所要期間を入れると、クリティカルパスやフロートを計算できます。計算の手順は フォワードパスとバックワードパスの計算 で扱っています。この記事で扱うのは、その前提となる「矢印の意味」です。

POINT

ECO 2026年版の Process タスク8(スケジュール)には、作業の見積りの項目があります。括弧書きで、マイルストーン・依存関係・ストーリーポイントが挙げられています。旧版(2021年版)のスケジュールのタスクにも同じ項目があり、新旧で変わらない論点です。

4つの依存関係とは?

矢印は、「先行作業のどの時点」と「後続作業のどの時点」を結ぶかで4種類に分かれます。名前は「先行の◯◯ − 後続の◯◯」の順に読みます。

PDM の4つの依存関係(例は当サイトの架空の例)
種類意味例
FS(終了−開始)先行が終わったら、後続を始められる設計書の承認が終わったら、実装を始める
SS(開始−開始)先行が始まったら、後続を始められるデータ入力が始まったら、入力チェックを始める
FF(終了−終了)先行が終わったら、後続を終えられるテストが終わったら、テスト報告書を仕上げる
SF(開始−終了)先行が始まったら、後続を終えられる新システムの運用が始まったら、旧システムの運用を終える

実際のスケジュールでは、FS が大部分を占めます。SF はめったに使われませんが、試験では「どれが SF か」を見分けさせる問題が出ることがあります。

SF は、後続(旧システムの停止)が、先行(新システムの開始)を待って終わる関係です。交代制の勤務の引き継ぎも、この形です。

依存関係の種類はどう見分ける?

問題文から種類を判断するときは、2つの質問を順に当てはめます。先に「後続のどの時点が縛られるか」を見るのがコツです。

依存関係の種類を見分ける手順
  1. 1

    後続のどの時点が縛られる?

    「始められない」なら後半は S(開始)、「終えられない」なら後半は F(終了)

  2. 2

    先行のどの時点を待つ?

    先行が「終わるまで」なら前半は F、「始まるまで」なら前半は S

  3. 3

    2つを並べる

    先行 → 後続の順に並べる。例:先行の開始を待って、後続が終わる → SF

  4. 4

    日数の指定を足す

    「◯日後」はラグ、「◯日前から」はリード

当サイトの整理

たとえば、「新しい警備会社の巡回が始まるまで、今の警備会社は契約を終えられない」場合を考えます。先行(新しい会社の巡回)の開始を待って、後続(今の会社の契約)が終わるので、SF です。

強制・任意・外部・内部の依存関係とは?

4つの矢印の種類とは別に、依存関係は「なぜその順序なのか」でも分類できます。2つの軸を組み合わせて考えます。

依存関係の性質による分類

強制(必須)

ハード・ロジック

  • 根拠物理的な制約や契約・法令で決まる
  • 例基礎ができないと柱を立てられない
  • 短縮のとき変えられない

任意

ソフト・ロジック

  • 根拠ベストプラクティスやチームの判断で決める
  • 例画面設計を全部終えてから実装に入る
  • 短縮のとき短縮のときに見直せる

さらに、プロジェクトの外の作業に依存するものを「外部」、内部の作業同士を「内部」と呼びます。

当サイトの整理

外部の依存関係の例は、行政の許可、顧客からの資料の提供、他プロジェクトの成果物などです。プロジェクト・マネジャー(PM)が直接は管理できないので、リスクとして監視し、相手と調整します。

スケジュールを短縮するとき、まず見直すのは任意の依存関係です。「慣習で順番に並べていた作業を、並行させられないか」と考えます。強制の依存関係を変えようとするのは誤りです。

リードとラグとは?

依存関係には、日数の調整を付けられます。

  • ラグ(待ち):後続の作業を、決まった日数だけ遅らせる。例:コンクリートを打ったあと、乾燥のために3日待ってから次の工程に入る(FS +3日)。
  • リード(前倒し):後続の作業を、決まった日数だけ早く始める。例:設計書が完成する5日前から、テスト計画の作成を始める(FS −5日)。

リードは、本来は順番に行う作業を一部重ねることです。そのため、スケジュール短縮のファストトラッキングの手段になります。重ねた分だけ手戻りのリスクが増える点に注意します。

例題で確認:依存関係ごとに後続の日程を出す

(当サイトの独自例題)先行作業 A は期間10日で、0日目に始まり10日目に終わります(0始まり)。後続作業 B の期間は6日です。依存関係ごとに、B の最早開始日(ES)と最早終了日(EF)を求めます。

依存関係とリード・ラグの計算(0始まり)

A:ES 0・EF 10、B:期間 6

  1. 1FS:B の ES = A の EF = 10 → EF 16
  2. 2FS +2日(ラグ):B の ES = 10 + 2 = 12 → EF 18
  3. 3FS −3日(リード):B の ES = 10 − 3 = 7 → EF 13
  4. 4SS +4日:B の ES = A の ES 0 + 4 = 4 → EF 10
  5. 5FF +2日:B の EF = A の EF 10 + 2 = 12 → ES = 12 − 6 = 6

どの時点を基準にするか(A の開始か終了か)を先に決めると迷わない

当サイトの架空の例

SS や FF の計算では、基準が A の「終了」ではなく「開始」になることがあります。また、B の「開始」ではなく「終了」を先に決める場合もあります。名前の前半が先行の基準、後半が後続の基準です。

よくある誤りは?

依存関係の問題は、言葉の取り違えで点を落としやすい分野です。代表的な誤りを表にまとめました。

PDM でよくある誤り(当サイトの整理)
誤り正しい考え方
SS を「同時に始めなければならない」と読む先行が始まれば、後続を始めてよい(同時でなくてもよい)
FF +ラグを、後続の開始日から計算する後続の終了日を先に決め、期間を引いて開始日を出す
リードを「後続を遅らせる日数」と取り違えるリードは前倒し。マイナスのラグとも書く
強制の依存関係を重ねて短縮しようとする重ねられるのは任意の依存関係。強制は変えられない
外部の依存関係を、PM の指示で動かそうとするリスクとして監視し、相手と調整する

アジャイルでも、ストーリー同士やチーム同士の依存関係はあります。バックログの並び順で吸収したり、計画の場で見える化して他チームと調整したりします。

確認問題1

ラグのある終了−開始関係

(当サイトの独自問題)作業 A(8日)は0日目に始まります。後続の作業 B(5日)は、A の終了後に2日のラグを置いて始める FS の関係です。顧客に B の完了予定日を伝える必要があります。0始まりで、B の最早終了日はどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:2。A の EF は8、B の ES は 8 + 2 = 10、EF は 10 + 5 = 15 です。

1:ラグを足し忘れています(8 + 5)。3:B の ES です。4:ラグを2回数えた値(8 + 2 + 2 + 5)です。

確認問題2

短縮のために見直す依存関係

(当サイトの独自問題)完了日を2週間早めるよう、スポンサーから求められました。チームと工程を見直すと、「全画面の設計を終えてから実装に入る」という順序がありました。これは過去のプロジェクトでの慣習で、技術的には画面ごとに並行して進めることもできます。この依存関係の性質と対応として、最も適切なものはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:1。チームの慣習で決めた順序は、任意の依存関係(ソフト・ロジック)です。手戻りのリスクを評価したうえで、ファストトラッキングの候補にできます。

2:物理的・契約上の制約ではないので、強制ではありません。3:プロジェクト外の作業に依存していないので、外部ではありません。4:内部の依存関係でも、任意のものは見直せます。

確認問題3

開始−開始のラグがある場合の完了日

(当サイトの独自問題)作業 A(5日)が0日目に始まります。作業 B(4日)は、A の開始から3日後に始められる SS +3日の関係です。作業 C(2日)は、A と B の両方が終わってから始めます(FS)。C が最後の作業です。0始まりで、プロジェクトの完了日はどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:4。A は0〜5、B は ES = 0 + 3 = 3、EF = 7 です。C の ES は max(5, 7) = 7、EF = 7 + 2 = 9 です。

1:C の ES です。2:A・B・C を順番につないだ値(5 + 4 + 2)で、SS の重なりを無視しています。3:SS +3日を FS +3日と取り違えた値です(B が8〜12、C が12〜14)。

次に何をすればいい?

依存関係を理解したら、所要期間の見積りへ進みます。不確かさを考えた見積り方法は、三点見積もりとPERTの計算式 で解説しています。人や設備の制約で順序が決まる場合は、資源平準化 の考え方も必要です。

フロートの種類(トータルフロートとフリーフロート)は、トータルフロートとフリーフロートの違い で確認できます。スケジュールの判断を状況問題で練習したい人は、タスク別ドリルでスケジュールのタスクを集中的に解けます。

よくある質問

PDM と ADM(アロー・ダイアグラム法)は何が違いますか?

PDM は作業を箱(ノード)に書き、ADM は作業を矢印に書きます。PDM は4種類の依存関係を表せますが、ADM は基本的に終了−開始だけです。現在の試験対策では PDM を押さえれば十分です。

リードはマイナスのラグと同じですか?

同じ意味で使われます。FS −3日のように、マイナスのラグとして書くこともあります。

法令で決まった順序は、強制と外部のどちらですか?

順序の根拠が法令・契約なら、強制の依存関係です。行政の許可が出るのを待つように、プロジェクト外の作業を待つ場合は外部の依存関係でもあります。2つの分類は両立します。

出典・参考

  1. [1]PMI: PMP Examination Content Outline(2026年7月版。Process タスク8)
  2. [2]PMI: PMP Examination Content Outline(2021年1月版・旧版。Process タスク6)
  3. [3]PMI: PMBOK® Guide(スケジュールの用語の出典)

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記事の次は、本番形式の問題で。

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